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そこそこの中堅冒険者(自認)の俺がパーティーを追放されて真の実力を知り逆襲の旅へ!?〜今度こそは普通の一般市民になろう!!!(強い意志)〜  作者: 酒粕
第四章 南海探究編

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第三百三十二話 臆病者の意志

部屋に戻った俺たちはベッドに横になってダラダラしている。これまでの旅の疲労が一気に抜けていくような感覚を味わいながら、午後の日差しを浴びながら微睡む。

俺以外の三人もウトウトしている。

そんなとき、船が大きく揺れる。

と、同時にアナウンスが入る。


それと同時の俺たちの脳は急激に覚醒する。

『お客様、現在当船は海賊による襲撃を受けております!!速やかにお部屋へもどり、再度アナウンスがあるまでは決して部屋から出ないようになさってください!!』


「......はあ、ったくよお、俺たちは船でゆっくりすることも許されないのか」


「.....ちょうど、退屈していたところだ」


「海賊か...不謹慎ですけど、ちょっとワクワクしますね!」


「たしかにな....いっちょ、行くか.....」


「船首の方角にある甲板で何やら争う声が聞こえます」


そうして、俺たちはリイの先導で甲板を目指す。


そこは戦場と化していた。逃げ惑う客に、応戦する騎士達。そして、海賊。

船には海賊船がロープで括り付けられている。

ドクロとサーベルの海賊旗に、眼帯、オウムを肩に乗せてるやつもいる

負傷と民間人の存在が、騎士たちに劣勢を強いているという状況だ。


「これじゃ、魔術で一掃はできねえな.....各自が海賊を締めるっつう感じで行こうか」


「はい!!」


「承知しました」


「....うむ」

それからは一方的な蹂躙であった。

俺たち四人がそれぞれ戦線を押し返す。



「獣狩りどもが加勢してきたぞ!!」


「こいつら強いぞ!!そっちを狙え!!」

俺たちを認知した海賊に狙い撃ちにされるも、逆にそれが騎士達による乗客の避難が進むという状況を作り出す。

ものの五分もしないうちに、海賊は船の中に撤退する。騎士達も合流し、戦況は完全にこちらに傾いた。



「おし....あとは、俺が魔術であの船ごと.......」



そんなときであった。

「......動くなああ!!」


「動いたら.....このガキを殺す!!」

海賊の頭目らしき男の腕の中には逃げ遅れたであろう貴族の少女が捕まっている。



これ以上は手出しができない。それに海賊どもが船のロープを外し、逃げる準備を始めている

「まじかよ.....」


「ホワイトさん...翼獣戦で使った魔術で目くらましを!!」


「ありゃ、光が強すぎて 人質を失明させちまう。それとも、奴らの方に向かって大声で目を瞑るように言うか?」


そんな時であった、俺の胸から何かがゴトリという音とともに地面に落ちる。

「『臆病者の石』.......」

俺の中で、一つのアイデアが固まっていく。

「俺に策があります」


「へえ....そんじゃ行ってこい!!」


「聞かないんですか?」


「貴方が策を違えたことなどありますまい....」


「うむ....」


俺はパンッ、と頬をたたき気合を入れる。

俺は大声を出しながら、海賊船へ近づく。臆病者の石を片手に掲げて。

「待ってくれ!!その女の子とこの宝石と交換してくれないか!!」


海賊は下品な笑みを浮かべながら応じる。

「おーけー!!そんじゃあ、その宝石をこっちに放り投げろ!!そしたらこのガキを返してやる!!!」


「わかった!!」

俺は渾身の力でそれを放り投げる。


キャッチをした船長のその手下の海賊達はゲラゲラ笑いだす。

「こいつアホだっ!!人質を返してやるわけねえだろ!!!野郎ども、とっととトンズラこくぞ!!」


それでいい。


「主よ、我が歩みに韋駄天の加護を!!」

俺は敏捷強化魔術を詠唱し、奴らの方を目がけて走り出す。


その直後、俺という強者に反応した「臆病者の石」が眩く輝きだす。

その光は今まで俺が見たどの輝きよりも強く、明るく周囲を照らす。

「うお....眩しっ!!!」

奴らの目が眩んだその瞬間、俺は少女を抱えて、船へと戻る。

「よくやった...小僧!!」


「雷、魔を祓え」


その後、轟音と共に海賊船は木っ端微塵になる。



 丸焦げになって海へ落ちていく海賊船を眺めていると、ホワイトさんが俺へと話しかけてくる。

「でもよ....いいのかよ?」


「なにがですか?」


「そりゃお前...あの石は高価なマジックアイテムだろ?」


「いいんです、俺にはもう必要ないですから」

そうだ。これから、俺はどんな強者だろうとも逃げずに戦わなきゃならないんだ。

俺は「臆病者」じゃいられない。


「ま、お前がいいならいいさ」




「【主人公】さん、あの魔道具をあのように利用されるとは.....感服いたしました」


「......第一功であるな」


「はは、ちょっと照れますね..」


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