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第三百三十一話 整い

俺たちはあらかじめ部屋から持ってきていた着替えを手に風呂へ向かう。

風呂は空いている...というか俺たちの貸切状態だ。

「貸切じゃねえか!!」


「朝風呂って混むイメージですけど......」


「【主人公】....外を見ろ」


そこには太陽が真上まで登った青空がある。

「うわっ!もう昼かあ...」


「いいじゃねえか、こういう時くらい好きなときに食って寝るっつうのも悪かねえだろ」


「ええ、ホワイト殿おっしゃるとおりです」


シャワーで俺たちは汗を流す。


そうして、サウナへと入る。


「.....ほう、鍛錬か」


「これは.....香草の香りがして、心地よいですな」


「やっぱ、サウナだよなあ.....」


「この後の水風呂が最高なんですよね」


三分ほど入り、徐々に汗をかき始めたところでホワイトさんが徐に口を開く。

「よし!誰もいねえことだしよ、いっちょサウナバトルと洒落込もうぜ!!」


「サウナバトルとはなんでしょうか?」


「ルールは簡単だ。こん中に一番長いこと入っていられた奴が優勝だ」


「ほう.....面白いではないか」


「私も忍耐力には少々自信があります。ぜひともお受け致しましょう」


「ははは....」

そうして、異邦人四人の仁義なきサウナバトルが開幕する。

「一番早く出たやつは脱衣所にあった牛乳を全員に奢りな!!」


そうして、一分、また一分と経過していく。

俺は徐々にキツくなってきたが、義輝さんは目を瞑ってまだまだ余裕といった様子だ。

リイも澄まし顔である。

しかし、意外なのはホワイトさんもまた余裕そうなことだ。

ホワイトさんも俺同様体力がないといっていたはずだし、徒歩での移動中に最も早く休憩を切り出すのもホワイトさんだ。というか、発汗すらしていないのはとんでもなく怪しい。

俺は、半ば確信を持ちながらホワイトさんの体に手を近づける。

「うわっ!!冷たっ!!」

........こいつ、魔術で自分の周りだけ冷やしてやがった。



「.......ホワイト」


「ホワイトさん...」

リイの愉快そうな顔と義輝さんと俺の呆れ顔がホワイトさんへと突き刺さる。

「そ、そういえば、サウナに長時間入るっつうのは脱水症状のリスクを高めるんだ。そろそろ全員出るべきだ...俺は少し体を温めてから行くがね」


「はあ....まったく」


そうして、掛け湯をした俺たちは水風呂へ入る。


「うわっ!!!」


「......これはっ!!」


「......くっ!!」


「キクねえ....!!」


そうして、「整った」俺たちは海を一望できる露天風呂へと浸かる。

「それにしても、海の上でこんなに水を使っちゃって大丈夫なんですかね」


「それ用の水魔術師でもいるんだろうな....贅沢なことだ」

そんな会話をしながら俺たちは外へ目を向ける。そこには、青く澄んだ水と空、そして、無限に広がっているように見える水平線だ。

「これは.....美しい景色ですな」


「うむ...美しいな」


「すげえなあ....人工物が見えねえ、雄大な自然ってやつだな」


「すご.....水がめっちゃ澄んでますね!!」


「ああ、汚染されまくった現代じゃお目にかかれねえレベルだ」


そうして、俺たちは風呂を上がり、脱衣所ですずむ。

「リイさんは毛を乾かすの大変そうですね...」


「ええ、少々時間がかかりますので....皆さんは先にお戻りになってください」


「いや、それには及ばないぜ」

そういうとホワイトさんは魔術を詠唱する。

「風、流せ」

そういってホワイトさんの手のひらから温風が発せられリイの毛並みをみるみるうちに乾かしていく。


「これは.....感謝いたします」


「いいってことよ!!」

そうして、ホワイトさんの奢りで牛乳を飲んだ俺たちは部屋へ戻り昼寝をすることにする。




意外なのは、義輝さんが牛乳を飲んだことだ。

意外と好奇心の強い人なのかもな.....






私は夏に、銭湯のサウナで甲子園を見ながら自分をいじめるのが好きです。


評価感謝!!!!

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