第三百二十話 THE TITLE MATCH
決勝戦の翌朝、宿の食堂で俺たち四人はリーナを加えて五人で朝食を摂りながら談笑をしていた。
「そこで....この【剣豪】がよお!なんと、隻腕の騎士を真っ二つにしちまったのさ!!」
「すごいです!!剣士様!!」
「素晴らしい武勇伝ですな!!!」
「さっすが義輝さん!!」
「........奴とて凄まじい達人であった」
「その後もよ...俺の機転と勇気で迷宮の騎士共を.......」
そんな俺たちの談話に水を刺すように現れるのは白髪頭が特徴的な若い男。
「ノウキン様御一行ですね?.....私、ウォレスの使いのポインターと申します。ウォレス様が本日の昼、皆様と屋敷にて昼食を共にされたいとのことです....是非ともご出席いただきたい」
「....へえ、昼食ねえ、オーケー...うまいもん用意しといてくれよ?」
「承知しました、主へと申し伝えておきます」
「お前らもそれで構わねえだろ?」
おそらく、この昼食会が最後の戦い....闘技大会の真の決勝戦だということを直観する。
「ええ」
「....うむ」
しかし、俺はその場へは同席しない。
「すいません....俺はちょっとパスで」
「どうしたんだ?」
俺はホワイトさんに問いに答える。
「いえ....実は、先日ベガと名乗る暴漢に襲われてしまいまして、撃退はしたんですけど....その時の傷が.....」
「へえ....そんな物騒な野郎がいるなんてな、そんなアブねえ奴はとっとと逮捕するように領主様に伝えておいてくれ」
「.................承知いたしました。それでは、他のお三方は出席されるということで主人へ報告させていただきます。では、お食事をお邪魔したこと...心よりお詫び申し上げます」
そう言うと、その男は去っていく。
「.........ウォレスとかいうインチキ野郎のツラ拝んでやろうじゃねえか」
「いったいどのような男なのでしょうか.....」
「.....どんな男だろうと、関係ない。邪魔立てするならば....斬る、それだけだ」
「んじゃまあ、小僧も安静にしてろよ」
「はい...すいません」
「いえ、食事会は我々三人もいれば事足りるでしょう」
「リイの言う通りだ、旅はまだ続く。体調を整えておけ」
「はい!!!」
TITLE MATCH:タイトルマッチ
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