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第三百十二話 THE IMPATIENCE

短いっす

.........長い


司会者の男が長話を始めてからかなりの時間が経過した。観客席の様子を伺うに尋常の事態ではないようだ。それに相手の戦士も妙だ。

【主人公】が言うには、軽やかな動きを得意とする細身の男ということだったが、私の目の前で鎧に身を包み巨大な盾を構えるその大男はそれとは似ても似つかない。



そうして、試合の開始が宣言される。男は盾を構えて私から距離を取る。

........これが、八百長.....なのか?

有り得ない、斯様な杜撰な小細工で得るものといえば少々の時間......時間!!


私は観客席.....【主人公】のいる場所の様子を伺う。そこには背後から現れた男と数言話し、その場を後にする【主人公】の姿がある。


.......不用心な男だ、いや.....敢えて乗ったか


いずれにせよ、私と【主人公】を引き離すための策.....孫子の兵法書にもある「各個撃破」というわけか。

ホワイトのやつは八百長の正体を探るなどと言ってはいたが、奴らの方から近づいてくるとはな.....僥倖だ


いち早くやつを片付けて、助太刀に向かわねば。


しかし、敵は静観を保っている。私から斬りかかっても、盾と鎧で防いで見せる。そのような攻防が何度も繰り返される。目立つことや無用な恨みを避けるため、不殺を貫けと言われていたが.....止むを得んか


私は刀を頭上に構え、敵へ向けて突撃する。薩摩剣士から学んだ示現流の構え.....「知恵を捨てよ」とは言うが、あながち間違っていないのやもしれん。


私の刀が敵の頭部を捉える。


盾と鎧で私の刀を受け止めようとするが......無駄だ。


「斯様な小細工.....私の刀の前では紙細工よりも脆いわ」


「ぐっ!!!」


私は敵の戦士を縦に両断する。その時、【主人公】の魔術が発動した時の甲高い音が聞こえたような心地がした。


その疑念をかき消すかのように、耳障りな歓声が会場を支配する。

「傭兵マックス撃沈ー!!!!!死線を制し決勝への切符を手にしたのは、ノウキン・バカケンシ!!!!」


「「「「「うおおおおおおおおおお!!!!!!!」」」」」






IMPATIENCE:焦り


ブクマ感謝!!

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