第二百八十五話 「希望の町」エスポワル
いよいよ新章開幕!!!
翌日、俺たちはエスポワルへと到着した。
街は潮の匂いで満ちていて、大きな帆船が見える巨大な港町だった。街全体の構造としては日本の横浜みたいな感じだ。人で賑わってはいるが、セウントやアルトーレ、カハートのように観光客や獣狩り、労働者ではなく裕福そうな商人や貴族のような少し裕福そうな人たちがたくさんいる。
街の北側にある入り口からみて、ちょうど右側....西の方角には巨大な闘技場のような建物も見える。
「ついに到着ですね!!」
「ええ、とても長かった.....ですが、」
「ああ、まだまだこれからだ」
「....うむ、奴の首をとって初めてこの旅は終わるのだ」
ただ、船に乗る前にやることがある。
「んじゃ、まあ...腹ごしらえと行こうかね」
ここに来るまで一ヶ月間干し肉と乾パンしか口にしていないのだ。なにか普通の食べ物を食べないとさすがにきついものがある。
「はい!そうしましょう!!」
そうして俺たちは繁華街らしきエリアへと繰り出し店を物色する。
そうして目についたのは和風....こちらの世界でいうところのヤマト風のレストランであった。
店頭に掲げられたメニューにはマグロやイカ、ウニといったお馴染みのネタの名前がびっしりと記されている。
「へえ...『天狗寿司』ねえ.....いいじゃねえか」
「寿司ですか!いいですね!!」
懐かしの料理に俺とホワイトさんはもう寿司を食う気満々だ。
それを聞いたリイは初めての料理について質問をする
「寿司....とは?」
「生魚の刺身を酢飯に乗っけた食べ物ですよ」
「なるほど.....それは皆さんの故郷の食事でしょうか?」
「はい、うまいですよ!!」
「それは楽しみですな」
リイもまた異国の料理に興味津々といった様子だ。
しかし、それを聞いた義輝さんが意外な反応を見せる。
「....ほう、寿司か......近江の浅井から献上された鱒寿司を食したことがあるが、あれはひどい臭いだった....上に乗った魚も生ではなく漬物のようであった」
「えっ!?義輝さん....寿司知らないんですか!?」
「知らぬも何もそれが寿司であろう?」
「ああ、俺らが寿司って呼んでる食いもんの起源は江戸時代のものだからな....【剣豪】が食ったのは魚と米を塩につけて醗酵させた『なれずし』だろうな....安心しろよ、多分ここの寿司はそれじゃねえ....お前の知ってる寿司とは別もんだよ」
「.....ならよい」
「へえ...ホワイトさん物知りなんですね......」
「そりゃな、賢者だからな」
「郷土料理に詳しい賢者とは....不思議ですな」
そうリイが笑みをこぼす。
「ちげーよ!森羅万象の通じてるんだよ!俺は!!」
「.....そういうことにしておこう」
そうして俺たちは入店する。
今後は一話あたりの文字数を少しずつ増やしていこうと思います。
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