表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/373

第二十七話 欲望と癒しの街、「桃源郷」 前編

温泉いいですよね。

「んーーー」

馬車から降りて目一杯伸びをする。俺たちはいま、長い旅路を終えて「セウントの街」の中心部にいる。ここから、北に行くと温泉宿や土産屋が立ち並ぶ温泉街があり、南へ行くと売春宿やキャバクラなどがあるいわゆる色街へと行ける。俺たちはこのあと予約しておいた宿に荷物を置いて温泉街を散策する予定だ。それにしてもすごい人の量だ。前の世界の大阪や東京を思いだす。

「ここがセウントか、なかなかいいじゃないか....なあ、【主人公】くん」


「そうですね、ゴルドさん。誘っていただいてありがとうございます。」


「僕も君がついてきてくれて嬉しいよ。」


「中々、賑やかでイイトコじゃない...なんでもここの温泉はお肌にも効くらしいわよ、楽しみね〜アンジーちゃん。ここでもっと可愛くなれば【主人公】くんもきっとあなたにメロメロよ」


「そ、そ、そんなことより!!先ほどおっしゃっていた伝説の温泉というのはどちらにあるんですか?」


「さあ...流石の私もわからないわ、でも何日か滞在する予定だし、ゆっくり探せばいいわ」


「そうですね....」


「....皆、こっちだ。」

おしゃべりを切り上げて、ハンゾーの案内で宿へと向かってゆく。ここの街並みは日本にいた頃を思い出させてくれる。母さんと父さんは元気にしてるかな。俺が死んだあと、あっちはどうなったのだろう。悲しませてしまったかな。いや、案外なんとも思われてないのかもしれない。あんなに退屈で苦痛だった日本での生活も、いざ遠くにきてしまえば懐かしく思えてくる。ふと、そんなことに思いを馳せてしまうくらいにはこの街は日本に似ている。

一人旅をしているとどこかノスタルジックな気分になりませんか?私はなります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ