第二百八十一話 自動人形の保有する「心」に対する結論
室内に熱気が充満する中、マキナは一人佇んでいた。
.........皆様、無事に逃げ切れましたでしょうか?
「ふふっ....」
可笑しい
機械であるはずのマキナが誰かを心配するだなんて
これが「心」なのでしょうか......
そういえば、ホワイト様.....マキナのことを旅にご一緒させてくださるとおっしゃっていた。
彼らと共に旅をしてみたかった
もっと『楽しい』に出会いたかった
そんなとき、ふと....博士の言葉が蘇る
『マキナ.....僕はもう長くない.......もし、僕が死んだら.....この僕の手記だけはなんとしても守り抜いてくれ』
『手記.....ですか?』
『ああ、これは希望なんだ......僕の家族を...全てを奪った悪魔を地に落とすための....』
『マキナのデータベースには、その悪魔という個体の情報は保存されていませんが、何よりも優先して保全いたします』
『そうか.....ありがとう、マキナはいい子だね』
マキナは書斎へ向かいます。そこには白骨化した、男性のものらしき死体があります。
「博士......」
そうして私はデスクの上に置かれている彼の手記を手に取ります。
「これが....デウス博士の『大切』」
これを、ホワイト様たちに.......。
可能であれば、マキナも彼らの「楽しい」に同行したかった.....皆さんどうか、ご無事で
魔力炉が膨張を再開いたしました
保険のキーで維持できるのはこれまででしょう。
マキナはそれを胸に抱き抱えます。
熱エネルギーの急速な膨張を観測
爆発まで
3.............
2.......
1.....
これで、.....デウス博士にもう一度褒めていただけるでしょうか?