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第二百七十八話 オーバーヒート

なおも静止して、音声を再生し続けるエクスを見ながらホワイトは口を開く。

「人間ってのは嘘をつくんだ...デウスも言ってたろ?」


「エクス....ホワイト様.....」

マキナの視線はホワイトとエクスの間を忙しなく行き来する。


「マキナ....悪いがエクスを助けるのは無理だ」


「.....はい」


「悪いね」


「......ホワイト様はお優しいのですね」



「はっ!!何バカなこと言ってんだ!」




そうしてホワイトは口を開く

「承認する」


エクスはなおも無機質な声で、映像の再生を試みる。

「承認を受け付けました、映像を再生いたします、再生...さいせ、さいせいをいた、承認を再せ、うけつけ...」

しかし、それは叶わない。

それを見ながらホワイトは誰へともなく解説を始める。

「.....たしかに、デウスは天才だ.....。完璧な機械を組み上げ、そのCPUの稼働に必須な冷却システムの構築まで一人で発明した。ただ、この世界の科学技術では水冷タイプの冷却システムを構築するのは難しかったらしいがな...まあ、メンテナンスする人間のいない地下じゃあどのみち合理的な選択ではなかったが......。

となればファンによる空冷だろうな。.....さっき改めてマキナに近づいた時、これまで聞こえなかった冷却ファンの駆動音がした。......まあ、こんだけ室温が上昇すれば当然だろうよ。んで、エクス....お前はその熱の中心にいる。冷却ファンもずいぶん頑張ってたみたいだが、無理なもんは無理だ。.....だから、俺はお前のCPUに負荷をかけて、お前の思考回路をオーバーヒートさせたってわけよ.....動画の再生なんて負荷かかりまくりだろ?」


そこまで言うと、再度ホワイトはエクスへと目を向ける。

その瞳に宿るのは憐憫にも似た軽蔑であった。

「デウスは冷却の重要性をよく理解し、そのバランスに完璧な調整を施していた。お前らが何十年も活動を続けられたのはそれが理由だ。だが、お前さんが無理な改造を繰り返し、最終的には魔力炉なんてものと融合しちまったのが敗因だ。自滅だな....結局、お前らを守っていたのはデウスの『愛』だったってわけだな」



「あの世で、デウスにメンテしてもらうんだな」


そうして、ホワイトが放った雷魔術によってエクスは完全に停止した。

「第三話 よくある話と言ってしまえばそれまでで 序」を加筆修正しました!!お時間ある方は読んでみてください!!

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