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第二百七十五話 モンスターマシン

ホワイトが魔術で足止めを行い、一定の距離を保つことで戦況は均衡状態にあった。

しかし、この均衡がまやかしのものであるということはホワイト自身が一番よく理解していた。

「(........魔力の残量にはまだ余裕あるものの....エクスが魔力炉からエネルギーの供給を受けている以上、いずれ逆転されちまう)」

ホワイトは戦線の維持と並行して、魔眼で魔力炉の分析を行う。

「(.....あの魔力炉、凄まじいエネルギー量だ....原子力みてえなイレギュラーには匹敵しないものの、この世界では規格外の一言に尽きるな)」


「おいおい、どうした!!!俺を殺すんじゃなかったのかあ?」


「お前!!僕を舐めやがって!!」

ホワイトはエクスを挑発しつつ、マキナから距離を取る。

「(マキナは.....しばらくが動けねえな、他の連中がこっちに来るまで持つかどうかってところか?)」


しかし、その仮説は即座に棄却されることとなる。

痺れを切らしたエクスは立ち止まる。

「ホワイト....今決めたよ、お前は焼却処分だ」


「それはこえーな...いったい俺は何をされちまうんだい?」


「......コード『Surtr』を実行。エネルギー接続を最大化」

エクスはこれまでとは打って変わって無機質な声でコマンドのようなものを口にする。


その直後、魔力炉に蓄積されていたエネルギーがエクスへと一気に流れ込んでいくのをホワイトの魔眼は観測する。

エクスの体はみるみるうちに隆起し、マグマのようなものが全身を覆ってゆく。切り落とされた左腕もまた、再生する。エクスの見た目は端正な好青年から一変し、まさに炎の巨人と為った。


「これは......やべえかもな」




「ああ、僕の体を覆っているのは融解した魔石さ....魔力炉の中で純度を高めた魔石は鎧となって僕を守る」


「....そりゃこわいな」


「ああ、僕は怖いぞ」


怪物の怒り、それは偽りの太陽。


スルト:(古ノルド語においては『Surtr』)は、北欧神話に登場する炎を司る巨人。名前は「黒」または「黒い者」の意。『エッダ 古代北欧歌謡集』ラグナロクではムスペルの一族を率いてアスガルドを襲撃し、世界を焼き尽くすとされている。  wikipediaより引用

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