第二十五話 今までのこと、これからのこと
あの戦いから一週間が経過した。そして今、俺たちは冒険者稼業を一時休業している。なぜなら、ゴルドは全治1ヶ月の重症であるし、俺もワイバーンのブレスの余波を喰らって全身火傷だ。ゴルドはギルドと提携している病院に入院しており俺たちも何度か見舞いに行った。幸いなことにゴルドは持ち前の頑丈さも相待って医者も驚くほど順調に回復している。ここで、治癒魔術を使えば良いのではという、諸君の疑問にお答えしよう。治癒魔術は急速に体の組織を修復する魔術であり、重症の体に一気に使ってしまうと体に悪影響を与えるのだ。今回の場合も、傷の治癒や体力の回復に合わせて定期的に魔術を使うことで体を完璧に直すのだ。そして、なんでわざわざこんな話をしているかというと、今日がゴルドの退院の日であるからだ。そして、そのお祝いと今後の方針の決定を兼ねて今日は飲み会だ。どうせ、会議はものの10分で終わってあとは飲み会だ。今回は前のように飲みすぎないようにしなければ。それにしても、パーティーを追放されてからというもの激動の毎日だった。でも、疲れは感じない。今は未来への希望で満ちている。....がその前にやらなきゃいけないことがある。そして俺はある場所へと向かう。
「....なんだよ【主人公】、こんなところに呼び出して」
「ジェフ、久しぶり。ザックにエリーナもね。」
「よお、元気にやってるか?」
「.....」
「今日は三人に伝えたいことがあって呼んだんだ。俺は「黄金の矛」で共に背中を預けて戦える仲間を見つけたよ、前みたいに俺が寄りかかってるだけの関係じゃない。だから、俺はもう大丈夫だ。ジェフ、ザック、エリーナ、俺を助けてくれてありがとう、友達になってくれてありがとう。」
「...それで、もう話は終わりか?いこーぜ、ザック、エリーナ。
......元気でな、【主人公】」
「おい、ジェフ!!待てよ!!、 また飲みいこーぜ【主人公】!!」
「.....元気でね」
俺は彼らがいなかったらとっくに野垂れ死んでいた。そして俺はずっと彼らの優しさの甘えていたんだ。だから、これは俺なりのケジメ、だ。
おっと、そろそろ酒場に行かなくては、飲み会に遅刻してしまう。
第1章これにて完結です!!第2章の構想も固まりつつあるので近いうちに更新できると思います。ここまでお付き合いいただきあいがとうございます!!また、今後ともどうぞよろしくお願いします!!
今度は「鉄の掟」視点の番外編とか書いてみたいっすね