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第二百五十九話 ブリキの乙女

「「「........!!!」」」

絶句する俺たちをよそに、少女は俺たち.....ホワイトを認識すると礼儀正しくお辞儀をする。

彼女は、身長160cmほどで空色の頭髪に、クラシックなメイド服のようなものを見にまとった。切長な瞳と無表情な顔が特徴的な女性であった。美しい姿をしていながら、その姿には一切の人間味が存在しない。

「おかえりなさいませ、ホワイト様.....三年と二ヶ月二日と四時間ぶりにございます」


「おう!マキナは相変わらず変わんねえな」


「ええ、マキナのボディは鋼鉄製.....三年程度の月日であれば経年変化さえもいたしません」


「.......は?」

俺が絞り出したのは、そんな言葉にもならない鳴き声だった。

「ああ、お前ら....紹介するぜ、こいつはマキナ....まあ、見ての通りロボット....動く人形(オートマータ)だ」


「...............何から、聞けば良いのか」


「ほう.....人形がまるで人のように言葉を発している、幻想的だ.........」

絶句する義輝さんと感心しているリイ


「ホワイトさん....説明をしていただいても?」


「ああ....いや、嬢ちゃんから聞いた方がはえーな....説明よろしく」


「承知いたしました。マキナは鋼鉄と魔石によって制作された動く人形(オートマータ)にございます。制作者は、この迷宮のかつての主でもある、デウス・ギアーズ博士です。マキナは博士よりこの迷宮の最深部の守護を仰せつかっていたのですが....不慮の事故によって、迷宮の最深部から退避せざるを得なくなり、三年と三ヶ月、二日と一時間ほどまえに...上層部を彷徨っていたところをホワイト様と出会いました。その後は彼のおっしゃった『俺が、強くなったら戻ってきて手伝ってやるからここで動かず待ってろ』という言いつけの通り、ここで待機していた次第です」


「じゃあ...この小屋は?」


「マキナが建設いたしました。マキナは多機能動く人形(オートマータ)として設計されていますので、建設から家事、戦闘に至るまでいかなる指令も遂行可能です」


「.......傀儡師のようなもの、なのか?」


「これは....長安の街角でみた、人形劇の動きとは全く異質です........」


「.......とりあえず、君は...ロボットってこと?」


「ロボットではなく、動く人形(オートマータ)にございます。マキナは命令のみを忠実に実行する機械人形とは異なり、自立した思考回路を保有していますので」

そう言うと、無表情でマキナは胸を張ってみせる。

「....ふっ!あっはっは!!」

その様がシュールで吹き出してしまう。


「これは....ふふっ」

リイもまたつられて笑う。

それとは対照的に、義輝さんはぶっきらぼうに言い放つ。

「......この迷宮を攻略すれば良い、ということであっているか?ホワイト」


「ああ、そういうこった.....これで、俺がここへお前らを連れてきた理由が分かっただろ?こんなおもしれえもん、ほっとくには惜しい」


俺は、ふと「太古の森」で嬉々として盾獣を解剖するホワイトさんの姿を幻視する。.....ないとは思うが、念のため釘を刺しておくか。

「まあ、この子を放っておくわけにもいきませんもんね......ホワイトさん、解体とかしちゃダメですよ?」


「は、はは...当たりめえだろ!」


「ホワイト、お前.......」

流石の義輝さんも、引き気味の反応を見せる。


「いやいや、流石に...んなことしねえっつの!!」


そんなホワイトさんの裾を引っ張り、マキナが問いかける

「......マキナは解体されてしまうのでしょうか?」


「いや、しねえから!!」

五人目の仲間っすね


「 第六十一話 剣客伝説 Ⅱ」も加筆しました、今後も第1章〜3章の物語の加筆修正を進めていきます。今見ると誤字が多かったり、書きたいことがもっとあったりするんですよね.....ということで、定期的に過去のお話も読んでいただけるとありがたいです!

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