第二十四話 旅行は帰り道が一番長く感じるよね
アーマードワイバーンを倒し、近くの洞窟で一晩明かしてから、俺たちは無言で帰路についていた。なにも喧嘩したというわけじゃない。みんなヘトヘトに疲れ果ててしまい、1秒でも早く街に帰るために早足で進んでいる。そんな沈黙を破ったのはゴルドだ。
「.....ところで【主人公】くん、昨日のアーマードワイバーンとの戦いで使っていた魔術はなんだい?」
「確かに....あんな魔術、私だって見たことないわ」
「実は....」
俺はみんなに突き落とされてからの経緯を説明した。
「すごいです!!【主人公】さん!!!」
アンジーは誰よりもテンションが上がって、俺に抱きついてきた。
「アンジー....離れて...歩き辛いよ」
「えー!!恥ずかしがらなくてもいいんですよ!!私たちの仲じゃないですか!!」
「あらあら、もしかして...二人ともイイ仲になちゃったカンジ?意外とスミにおけないのね【主人公】くんも。」
「やめてくださいよ..メルトさん。」
「...え?【主人公】さん、嫌なんですか?」
「いや、アンジー、ちょっと待ってくれ。嫌とかじゃないんだ。」
「メルト、アンジー、それくらいにしておきなよ。【主人公】くんが困ってるよ。」
「...さて、話を戻そう【主人公】くん、君の能力は強力だ。これからは支援術師としてではなく前衛として戦ってもらいたい。そして、当面の間は君のこの力のことは僕たちだけの秘密だ。変な連中に目をつけられかねないからね」
「わかりました。今後はもっとみんなの役に立てるように頑張ります!!」
そんなこんなで俺たちは街に帰ってきた。たった二日の出来事だったが無限にも感じるほど長い冒険だった。
たった二日間の話を書くのに3ヶ月もかかってしまいました、読んでくださったみなさんありがとうございます。
次のエピローグで区切りにして、新章突入です!!