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第二百三十六話 盲目の王様

ブルーバード家の管理する太古の森。そこは、太古の時代から生きる獣の楽園.....などではなかった。

外界と隔離されたことにより、彼らは個体数を増やし続け。楽園はすでにその体を成していなかった。

彼らは新たな獲物を求めた。しかし、楽園はそれを許さない。


そんななか、楽園の守護者である翼王は決断を下す。


外界へと侵攻をする、と。


王は他の獣と異なり、高度な知能を有していた。そして、圧倒的な体躯。彼は、盲目であっても楽園の圧倒的な王であった。その盲目は若き日の戦いで得た、まさに名誉の負傷であり。彼の圧倒的な戦闘能力を象徴する勲章でもあった。


彼らが、外界への進行を決断した日の夜。


王は夢を見た、それは彼を地へと堕とし....その喉に剣を突き立てるニンゲン。それがどんな顔をしていたか、そんなことが獣である彼にわかるはずもないが、彼は生まれて初めて恐怖という感情を覚えた。


そうして、明朝、彼は特異な力に目覚めていた。


彼は獣としての本能で、その使い方を理解する。


彼は仲間へと号令を下す。


「ニンゲンを殺せ」....と


そして、この時、彼の脳裏にはとある四人の人間の姿がクッキリと残っていた。

虎の獣人

左右で目の色が違う男

長髪で刀を携えた男

そして、黒髪の若い男


彼は、仲間たちにその姿を伝える。


彼自身もなぜそんなことをしたのかはわからない。


ただ、彼の胸中にはもはや、外界への侵攻などと言う考えは存在していなかった。


彼を突き動かすのは見たこともない四人のニンゲンへの殺意だけだ。

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