第二百三十四話 不沈艦
閃光が晴れる、周囲には地面へと墜落した翼獣がそこかしこに倒れている。
「大気、凍れ」
そうして、ホワイトさんは即座に地に堕ちた翼獣を無力化する。
しかし、王は健在であった。
「......なんでだ」
「はは、どういうこった」
「............」
強烈な光に怯むこともなく、大空という玉座に鎮座する様は、まさに「王」であった。
翼王は、超音波を放ち攻撃してくる。俺たちはそれを回避しながら、奴の正体を探る。
ただ、なにも思いつかない。徐々に焦りが募ってくる中、リイが口を開く。
「あの獣....盲なのでは?」
「なるほど!!!」
「ははは!!タネがわかりゃ、大したことねえな!!あの野郎!翼竜というよりも蝙蝠じゃねえか!」
あんなに強い魔物が、ハンディを抱えているわけない。そう思い込んでいた。よくよく思い出してみれば、奴は目が見えるならば、路地裏を手当たり次第に破壊しながら俺を探す必要などなかったのだ。壁に囲まれた場所では、音が反響するせいで、俺の正確な位置を知ることができない。だから、あのようなことをする必要があったのだ。奴が仲間を攻撃したのもそうだ。俺が、奴の仲間を操っているということに気がつけず、ただ向かってくる敵を攻撃しただけ。
奴の行動がつながっていく。そうして、俺の頭の中で奴を堕とす策が練られてゆく。
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