第二百三十二話 空の王者 Ⅱ
俺は落下の衝撃を反射して、なんとか着地する。
しかし、状況は悪いままだ。部下の翼獣は依然として俺へと猛攻を仕掛ける。
それどころか、翼王も攻撃に参加するようになった。
部下を自分の前に配置し、盾とした状態であの攻撃を口から放つ。俺はそれをなんとか回避するも、これ以上は持たないだろう。俺の背後でそれが当たった煉瓦造りの建物が粉々に崩壊する。
「うおっ!!」
あんなものに当たれば、俺も粉々だ。
俺は、目についた細い路地へと逃げ込む。大人一人がやっと通れるような細さの路地ならば、追いつけまい。俺はしばらく路地を走り、腰を下ろす。
一息ついて、自身の体の状態を確認する。すでに魔力、体力共に限界だ。そうして、息を潜めて休息していると、背後から破壊音が響く。
「あの野郎!建物をぶっ壊しながら俺を探してやがる!!」
俺は急いで路地から出る。あのまま、路地にいれば瓦礫で圧死だ。
ただ、外へ姿をさらせばどうなるか.....見つかるに決まっている。
翼王とその群れは俺を捕捉し追い詰める。そこで、俺はあることに気がつく。
「こ、こいつら、俺以外の人間に一切関心を示してない!!」
しかし、気がついたからといって状況は好転しない、群れのうち一頭が俺へと、正面から突進する。俺は反射を発動すべく体内の魔力を操作する、
.......その刹那、俺の瞳はちょうど俺の右側から俺へと突進してくる盾獣を捉える。
そちらへの反射は間に合わない、それどころか、盾獣の乱入に気を取られ、タイミングを外したことで、翼獣の攻撃の反射も失敗してしまう。
「ゲームオーバー、か」
俺は反射的に目を瞑る。
俺が最期に思い浮かべるのはアンジーの天使のような笑顔であった。
モンハンをやっていると、ホーミング生肉のせいでいつも嫌な気分になります。
まだキッズだった頃に、ドスマッカォ戦で私を吹き飛ばしたリノプロスは一生のトラウマです。