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第二百二十五話 ホワイトという男

俺たちは黙々と盾獣の解体を行う。その横でホワイトは盾獣を解剖している。彼は、なにか手帳のようなものを片手に忙しく何かをメモしては、死体をいじり、ときおり何かつぶやくということを三十分ほど繰り返している。

刀の手入れを終えた義輝さんがホワイトさんへと声をかける

「.......今更だが、これがこの地の領主に見つかれば私たちはタダで済むとは思えないな.......おい、ホワイト、お前に言っているのだぞ」


「問題ねーよ、ここの騎士団連中が金に汚いのは、先日の件でわかってんだろ?それに、ここの連中は環境保全のなんたるかを理解してねえ」

その発言に興味を惹かれたリイが、口を開く

「ほう....具体的にはどのような点が?」


「お!興味あんのか!リイの旦那!いいぜ、教えてやる。環境保全において一番大切なことはな....小僧、なんだと思う?」


「えっ!?えっと....保護区に密猟者を侵入させない...とか?」


「まあ、それもあるがな、最も重要なのは『文明との共存』さ、適正な個体数を保たなけりゃ、獣どもは人里に降りちまう、そんで、貴族なんて襲ってみろ.....根絶やしだぜ。そうならないためには、間引きや去勢が必要なんだ。だが、ここの連中はそれをしていない。ただ、壁で囲って外部と隔絶させるだけ.....いずれ、ガタが来ちまう」

再度、義輝さんが口をひらく

「......これは、そのための間引きだと?」


「なるほど、私が虎として生きた山にも、食料が不足してしまうほどの非常に多くの虎が住んでおりました.....」


「ホワイトさん、物知りなんですね....」


「おうよ!その通り!だから、これは善行だぜ?」


「.............騙されてはならんぞ、もっともらしいことを言っているがこの男はその恐竜とやらを自らの手で解剖したいだけだ」


「はは.....んなこと、ねーよ?」


しかし、後にホワイトさんのこの言葉があながち間違いではなかった、と俺たちは思い知ることになる。

環境保全云々に関しては割とテキトーです

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