第二百十七話 実在
そうして、カフェへとついた俺たちは、案内された席へとつき、向き合う。
俺たちから放たれる強烈なプレッシャーに気圧されたのか、お冷を持ってくるはずのウエイターがよってこない。
まず、口火を切ったのはホワイトだ。
「.....そうだな、まず一つ確認したいのは、ここにいる全員が一度くたばって、悪魔みてえなツラした野郎の顔を見てるって認識でいいのか?」
「.....はい」
「ええ、貴方の仰る通りです」
「......無論、私もだ」
「オーケー、次は互いの出自を語り合おう.....どっちからいく?」
会話の主導権をこちらの手に取り戻すという意図も含めて、俺が名乗りをあげる。
「では、こちらから」
そうして、俺は日本における略歴と、転移後の三年間、女郎蜘蛛迷宮での出来事を経てここにいるということ、未来で読んだ「千年伝説」を読み、未来へ帰る手がかりを得るため二人を探していたことなどをかいつまんで話した。
それを聞いたホワイトは少し考え込み、口をひらく。
「.....なるほどな、まあ、お前が嘘をつくメリットもねえしな...ひとまず信じるぜ......にしても、異世界からの転移だけかと思ったらタイムスリップかあ......あの迷宮にそんな仕掛けがあったとはな.....こりゃまた、調べなきゃならんことが一つ増えたな」
【剣豪】もまた、ホワイトを揶揄うように口をひらく。
「.....ほう、お前の落書きを読む人間がいるとはな」
「はっ!!わかるやつにはわかるってことだ」
そうして、次はリイの番だ。
「では、次は私が......」
彼もまた、中国にいた頃に、虎になってから死に、この世界へ獣人として生まれ変わり、俺の帰還を手伝うため旅をしているということを話す。
それを聞いたホワイトの顔は驚きに支配されていた
「まじかよっ!!中島敦の『山月記』って実話だったのかよ......」
そこかよ
気を取り直して、次は彼らだ
「俺たちは話しました.....次はあなたたちの番です」
「オーケー」
「.......では、私から話そう」
【剣豪】が語ったのは、一人の武士の生き様であった......。そして、新たな友との誓いのために黒幕を追っていると。
「やっぱり....本物の『剣豪将軍』!!!すご.....あとで、握手してもらっていいですか?」
俺は結構戦国時代が好きなのだ。戦国無双に信長の野望、太閤立志伝などコーエーのゲームは新作が出るたびに買ってやり込んでいた。
「.................ああ」
こころなしか少し照れくさそうな反応を見せる。
「ははっ!!!、照れてやがんの!!」
「.......黙れ」
「では、最後にホワイト殿.....貴方のお話をお聞かせいただいても?」
「ああ、耳の穴かっぽじってきけよ...」
そうして、ホワイトは語り出す。
ちなみに私は信長の野望では島津家がお気に入りでした