第二百十五話 伝説との邂逅
「「ッ!?」」
背後から聞こえた声に振り返るとそこにいたのは、軽薄そうな顔に笑みを浮かべた魔術師風の男.....そして、その傍に立つのは着物に身を包み刀を携えた男.....【剣豪】であった。胸の「臆病者の石」は目が眩むほどの強い光を放っている。
「あなたたちは!!」
「ああ、あんたらが探してる【剣豪】とホワイトだ」
「........ホワイト、知り合いか?」
「いや、知らねえな....ただ、あっちの獣人、『人虎』じゃねえのか?」
「.......ほう、私たちが探していた人虎もまた私たちを探していたとはな、では......我が名は足利義輝....いざ、尋常に.....」
「えっ!?足利って....」
俺はその名を聞いて、固まる。しかし、彼らは待ってくれない。今にも斬りかかってきそうな【剣豪】を見据え、リイもまた構えをとる
「........私たちへ牙を剥くというのであれば、このリイがお相手いたします」
そんな、俺にホワイトが話しかけてくる
「よお、小僧.....お前、日本人だろ?」
「な、なぜ、それを!!」
「はっ!【剣豪】の野郎の本名を聞いた時露骨に驚いてやがっただろ?そんなの日本人ですって言ってるようなもんだ」
「.....てことは、ホワイトさん、あなたも?」
「おうよ!!俺も小僧と同じ、日本人さ!!」
「じゃ、じゃあ、なんでホワイトなんて名前.....」
「ははは!!、まあ、それ以上は秘密だ。そんで、あっちの二人はヤるつもりらしいぜ.....てことで、俺らもとっとと始めようぜ、話はあんたらを無力化してからゆっくり聞かせてもらうよ」
「...............わかりました、死んでも恨まないでくださいね」
「はっ!、言うじゃねえか!」
相手は、伝説の剣士と賢者.....ただ、俺たちとて相当死線を潜ってきたのだ....
そうして、俺たちは互いに覚悟を決める。