表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

223/378

第二百七話 湖畔のレストラン 前編

船を降りた俺たちは、レストラン『フィッシャーマン』のテラス席に腰掛けていた。船の漕ぎ手に聞いた話だが、アルトーレで一番美味いとの太鼓判を押していたのでぜひとも、食べてみたいと訪れたのだ。

パラソルの影が程よく日光を遮る。

陽光を反射してキラキラと輝く水面を見ながら、これまでの冒険をリイと振り返る。

「.....ここまで、激動の毎日でしたね」


「ええ、ですが、私にとっては人生で最も満たされた日々でした」


「.....『真の楽しみは苦しみの中にこそある』ってね」


「それは?」


「俺の故郷の高杉晋作って人の言葉です。初めて聞いた時は、まったくわからなかったんですけどね.....」


「言い得て妙ですね」


「それにしても、コゼットとルーナは元気にやってますかね」


「ええ、あのお二人はどこであろうとも気高く生きておられるでしょう」


「今頃、俺たちの叙事詩を書いてたりして.....」


「ははは、物語に登場する英雄とはかけ離れていると自負しておりましたが....案外いい気分なのですね」


「謙遜はよしてくださいよ、リイさんは俺の『ヒーロー』ですよ」


「貴方こそ、私の心の救世主だ」


「じゃあ、俺たち二人ともヒーローですね!『俺たちは二人で一人の仮面ライダーだ!』って....はは」


「仮面ライダーとは?」


「えーっと、何て言うんですかね、まあ、俺の故郷で流行してた英雄譚みたいなものです」


「.....興味深い、ぜひともお聞かせ願いたい」


「いいですよ、まず....仮面ライダーっていうのは..................」


心の奥が暖かい。日本にいた頃よりも辛くて苦しい生活をしているはずなのに、不思議と今の方が満たされている。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ