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第二百五話 時の旅路

「.......ふう」

私はサンゲツの街にある、書斎でペンを置く。そんな、私に話しかけるのは幼馴染で侍女のルーナ。

「コゼット、少し休んだら?」


「いえ、彼らの物語を紡がなければ」


「それにしても、あの二人すごいよねえ....」

【主人公】さんとリイさん...彼らと別れてから二月ほど経過していた。そうしている間にも、黒髪の青年と虎の獣人の英雄譚は、続々と私のもとへと舞い込んでくる。ゴクラクの街での賊との戦いと孤児院の設立....カハートという街での迷宮の踏破.....これからもきっとたくさんの英雄譚を紡ぎだすであろう彼らに負けるわけにはいかない。


あの心優しい青年と誇り高き詩人....あのお二人が、己の願いを叶えることができるように、救われた私たちに出来ることは、その勇姿を語り継ぐことだけ。


決して、眉唾物の伝説では終わらせない。


そう決意して、私は叙事詩「時の旅路」の執筆へと戻る。


彼の優しい笑顔を思い出す。


霧の山で私を背負ってくださった時に感じ彼の鼓動と温もりを反芻する。


鼓動が早くなり、体温が上がってゆくのを感じる.....まるで、恋する乙女のようですわ。



私は未来にいる彼の恋人へのほんの些細な嫉妬と彼への独占欲を心へと仕舞い込み、ペンを握る。


......【主人公】さんが、コゼット(わたくし)と恋仲であったと、記してしまいましょうか....そのくらいならば.....いえ、ダメですわ


す、少しだけなら.......きっと、神様も許してくださるはずですわ


第三部完!!!!

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