第二百四話 世界の果てから
迷宮から帰還した俺たちを出迎えたのは嫉妬の眼差しであった。しかし、俺たちに楯突くものは誰もいない。この迷宮を踏破したという事実が彼らの体を恐怖で縛りつけた。
そうして、俺たちはその足で商人の元へ向かう。折半したとしても、十数年は生きていけるんじゃ無いかってレベルの額を受け取る。.....そうして、金を受け取った俺とリイはロックへと別れを告げる。こんな大金持ってこの街にいては、命がいくつあっても足りない。
そうして、時間を少し飛ばして乗合馬車のターミナル。
ロックからはギルド創設を手伝ってくれないかと打診されたものの、丁寧にお断りした。
「......そうか、残念だが、君が未来へ帰れるように陰ながら祈っているよ。
.....そうだ!!ギルドが完成された暁には僕の銅像の横に、君たちの像も飾っておこう!!それを、三百年後に見て、僕に仕えていれば良かったと後悔するんだ!!」
「そしたらお前の銅像に唾かけてやるよ!!」
「なんだとお!」
「ははは、お二人とも大変愉快です」
「そういえば、二人はこれからどうするんだ?」
「...特には決まってないんだよなあ、でもさすがにここ最近戦い続きだし休息を挟みたいような...」
「なら、アルトーレに行くといい、あそこはいい街だ。世界一美しい景観と美味い魚料理があるんだ」
「....なるほど、よし!そこへ行こう!リイさんもいいですか?」
「ええ、世界一の街並み.....是非拝見してみたいです」
「じゃあ、決まりですね」
そうして、ふと、視線をやると、そこにはアルトーレ行きの馬車が停まっている。
そんなとき、ロックがふと口を開く。その口から飛び出たのは意外にも、謝罪の言葉であった。
「.......なあ、君たちの信頼を貶してしまったことを謝罪させてくれ!すまなかった!」
「やめてくれよ、ロック。その信頼の輪にはとっくにお前も入っているんだ」
「ええ、【主人公】さんのおっしゃる通りです。我々はどんな場所、時代にいようとも朋友です」
「そ、そうか....ありがとう!【主人公】!!リイ!!」
そうして、俺たちは場車へと乗り込む。
「ああ、じゃあな!ロック!!」
「ロックさん、ご達者で」
「ああ!!ありがとう!!!」
そうして、馬車は走り出す。
世界の果てから
これにて、第三章は終わりです。
次回、エピローグを書いて次章へ移ります。
いやー、このエピソードが更新されるのは八月ごろでしょうけど、執筆自体は七月の初旬なので、一ヶ月くらいで第三章が終わったことになりますね
.....なんか感慨深い笑
あと、今日は話の区切りの都合で三話更新になります