表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

217/374

第二百二話 伝説を刻む者

戦闘を終えた俺たちは三人で宝石を取り囲む。大柄な赤子ほどの大きさのダイヤモンドの輝きは、俺たちの心をうっとりとさせる。

「........これほどの金剛石、折半したとしても大変な額になるでしょう」


「ははは、こんなものをみせたらあの商人....ひっくりかえってしまうだろうね」


「.......リイさん、ロック、奥へと進みましょう」


「ええ、踏破した証を手に入れなくては」


「僕たちの伝説を刻もうじゃないか」


そうして、奥にある小さな空洞へと足を進める


なかには女郎蜘蛛迷宮で見たような拳大ほどの魔石がある。

「.....あれが、踏破の証か、二人ともあれは僕がもらっても構わないかい?この街の連中を手懐けるの使いたいんだ」

この旅に名声なんてものは不要だ。

「ああ、ロックが持ってけ」


「ええ」


「感謝するよ」

ただ、そのまえにリイへと伝えなければならないことがある。女郎蜘蛛迷宮では、あの魔石を取ったことでトラップが発動した。あの異常な空に、強力なボス、またトラップが発動する可能性が高い.....。もし発動して、現代へ帰ることになるならば、俺はリイに伝えなければならないことがたくさんある。俺は、別れの悲しみをグッと堪え、リイへと向き直る。それを察したリイも、俺の顔を真剣だが、穏やかな顔つきで見つめる。

「リイさん、俺、この時代に来てあなたに会えて良かった。リイさんに会えなかったら、俺の心はとっくに壊れてました.....三百年後に帰っても、絶対リイさんのこと忘れませんから!いままでありがとう!リイさん」


「ええ、私も貴方に会えて良かった。私のこれまでの不幸は、貴方との出会いという幸運への帳尻合わせだったのでしょう。私も決して貴方のことを忘れません。それでは、朋友(とも)よ....お元気で」


「.....じゃあ、とるぞ」

そうして、ロックは魔石へ手を伸ばす。


俺は衝撃に備えて目を瞑る

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ