表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

211/374

第百九十六話 取った狸の皮算用

その怪鳥の心臓部はバスケットボールほどの大きさでその金銭的価値は計り知れない。

「......素晴らしい。かなり純度の高い蒼玉です」


「ああ、これならば高く売れる」

そこで俺はふとした疑問をロックへとぶつける。

「ところで、宝石の売買について伝手があると言っていたけど、具体的にはどんな?」

獣狩りから素材を買い取る商人というのは魔物の皮や爪を武具や衣服の材料として転売することで生計を立てている。彼らは個人の商人であるため、大きな資金力や自分が専門とする商品以外の販路を持たない。ゆえに、買い取る素材に制限をつけるのだ。ということは、鑑賞品としての価値しか持たないうえに新興の迷宮でとれる宝石を買い取る商人がそうそういるとは思えない。彼が売る伝手があるといった言葉を疑うつもりはないものの、興味が湧いた。

「それはね、僕の貴族時代の伝手を使っているんだ」


「ロックって貴族だったんだ.....」


「たしかに、言われてみればどことなく気品のようなものを感じますね」


「まあ、一代貴族だったから、もうすでに没落した後だけどね。まあ、その時の伝手をつかって宝石商に売るんだ。宝石は庶民には縁遠い品ではあるが、貴族はそれを消耗品に近いペースで買い漁るからね.....あの連中は見栄を張るのが仕事だから」


「なるほど....」


「足元を見られる心配もないよ、一度ふざけた見積もりを提示してきた商人の目の前でワイバーンを殺してから、金払いがいいんだ」

そういってロックはニヤリと笑う。


迷宮探索も後半戦だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ