第百九十三話 値踏み
ロックを加えた俺たち三人は、迷宮を進む。そんな俺たちの目の前に現れたのは、宝石で構成された騎士だ。数は三体.....俺とリイは目を見合わせる。ここらで、俺たちの戦闘能力を見せつけておいた方がいいか。しかし、それは向こうも同じだ。この「臆病者の石」の強弱の基準はわからない、実際、石が俺より格上だと判断したスコーピオは確かに強敵だったものの俺一人で倒せた。ある程度の強者を見分けることはできても細部までは至らないのか....わからない。ゆえに、判断しなければならない。彼に背中を預けられるか否か。
主導権は俺が握らせてもらう。
「一人一殺でいこう」
「承知」
「わかった」
まずは、俺だ。斬り掛かってきた騎士の一撃を反射させて殺す。
次にリイだ。リイはいつもの掛け声と共に、剣による一撃をを外皮で受け止めながら鎧ごと敵を粉々にしてしまった。
最後に、ロックだ。
「大地よ、槍となりて貫け」
地面が隆起したと思ったら、それが槍のように尖り、騎士の体を貫いた。
「そも詠唱の短さで、その火力.....本当に天才なんだな」
これは本音だ。
「君たちこそ、妙な力を使うね....これが終わったら正式に僕の手下にならないかい?」
「御免だ」
「お断りいたします」
「ツレないな」