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第百八十三話 獣臭い
俺とリイは迷宮へと至る、しかし周囲が騒がしい。その理由を探るべく手近な男に声をかける。
「ああ!!それがよお、昨晩、ロックの野郎が『この異常の原因は迷宮にある!!』とか言いながら迷宮に手下と一緒に行っちまったんだよお.....」
「なるほど、それは心配ですね」
「いや、まあ、あいつが死ねば俺たちに回ってくるパイが増えるだけだからどーでもいいんだが、まあ、あれだ、この騒ぎはロックの野郎がくたばる前祝いみてえなもんだ」
それを聞いた俺たちは絶句する。そこで、理解してしまった彼らもまた「獣」なのだ、と。
「そ、そうなんすね」
「......では、参りましょうか」
そうして、俺たちは迷宮へと突入する。
そこにあるのは宝石か、それとも悪魔の微笑みか........