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第百八十話 掃き溜めの王様

市場で買い出しを終えた俺たちは、用心をしながら迷宮の方へと足を運んでみることにした。

その途中で、素材屋や安い酒場が集まる、獣狩りたちの溜まり場へとたどり着いた。ガラの悪いチンピラみたいな連中が屯して雑談や酒宴に興じている、そんなとき、「臆病者の石」が微かに光る。

「リイさん!」


「ええ」

俺たちは咄嗟に戦闘体制を取るも、攻撃は来ない。そんな、喧騒の中から歩いてくる男がいる。そいつは、二人の剣士を引き連れた魔術師風の男であった。

「やあやあ、お二人とも...ここらではみない顔だね....名前は?」

その男は、明るい茶髪が特徴的な若い男だ。

「......まずは、自分から名乗ったらどうだ?」


「.....まあ、いいさ、僕の名はロック...この街一番の獣狩りさ」


「な、なるほど....」

彼の言葉は見栄でもなんでもなく「事実」なのだろう。実際、彼を見る周囲の獣狩りの瞳には嫉妬の感情が浮かんでいる。刺激しないようにするのがいいだろう。

「ご丁寧にどうも、私はリイと申します」


「【主人公】といいます」


「いい心がけじゃないか!黒髪の方はなかなかいい魔力量だな...それに獣人の方もいかにもなパワーファイターといった感じで好みだ....もし、僕の手下になるのなら歓迎するよ」

そう一方的に言うと、ロックは満足そうな顔をして、腰巾着を引き連れて去っていく。

.....それにしてもここの雰囲気は街のものと比にならないほど悪い。長居は禁物だ。

「.....俺たちも行きましょう」


「ええ、それがよろしいかと」

道すがら、俺たちはロックについて話し合う。

「にしてもあの男....敵対の意思がないようですが....」


「この世にいる全ての強者が悪魔の手先ということもないでしょう」


「それもそうですね」


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