第十六話 バカと支援術師は使いよう 後編
まじで遅くなりました。
....どれくらい眠っていたのだろうか、周囲や自分自身の様子から察するにそれほど長い時間は経っていないことだけは確かだ。起き上がって周囲を見渡す。幸いなことに奴らはいないようだ。
「はあ、何が新しい冒険だ、何が転生者だ。結局俺が足を引っ張っているじゃないか。」こんな時にもマイナス思考が止まらないことにも嫌気がさすが、とにかくゴルド達と合流しなければ。
「っ!!」
ワイバーンだ。数は一匹。俺たちが先ほど歩いていた山道から飛んできている。
「俺は運まで悪いのかよっ!!」
全速力で反対方向へとダッシュする、が現実は非情である。俺はそこまで動けるわけではない。ぐんぐんと俺とワイバーンとの距離が縮まっていく。10m...5m....3、2、1.......。追いつかれたっ!! 俺は一か八かワイバーンのブレスが体に届く、その一瞬に合わせて防御力強化魔法を自分へとかける。たとえ防げたとしても、追撃で死ぬ。だが、やらないよりはマシだ。
「主よ、我を守りたまえええええっ!!」
ッキーン!!!!!
刹那。鈍い金属音のような、まるでバットの芯に野球ボールが当たった時のようなそんな音が鳴り響くと同時に、ワイバーンの体はドロドロに溶解していた。まるでワイバーンのブレスを食らったかのように。 反撃の狼煙が上がった。
いよいよっすね