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第百四十二話 輪郭

アーサーの剣はゆっくりと、しかし着実に【剣豪】の命へと向かって進軍して行く。

いずれ、【剣豪】の体力が尽きれば、彼に待つのは死であるということは自明であった。しかし、【剣豪】は迫り来る死の運命へと抗い続ける。しかし、【剣豪】とて無力ではない。彼の異国の剣技は、アーサーの極める騎士の剣術や、この世界の剣術といったものとは大きく乖離していた。それゆえに、アーサーをもってしても完全に防ぐことを不可能にしていた。

「.....これが、ランスロットらを屠った剣技か」

アーサーは一瞬、亡き友を想う表情になる。

【剣豪】は、その刹那の隙を突き、袖の下に仕込んでいた苦無をアーサーの瞳へ投擲する。


しかし、アーサーはそれをまるで()()()()()かのようにかわす。

「視えるのだ、我を襲う全てが、我へと訪れる全てが.....」


「なぜ、全てを失って初めて、全てを守る力を得たのだろうか」


「それが、主の思し召しなのか.................」


【剣豪】は、、己の体に纏わりつく「死」の香りが徐々に輪郭を形作っていく感覚を覚えた。


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