第百三十一話 太陽の騎士 Ⅰ
高圧で射出された水鉄砲はガウェインの体を貫く!.....ことはなく、ガウェインの剣によって弾き落とされてしまう。それを見たホワイトは苦笑いをする。
「......おいおい鉄さえも貫くウォーターカッターだぜ」
次に仕掛けたのはガウェインだ。剣を構え、ホワイトへ向かって突進する。その技量はランスロットや【剣豪】のものには及ばない、しかしその圧倒的なパワーは彼を円卓最強の男と同格たらしめるには十分であった。
ホワイトは自身の周囲に濃霧を発生させ、身を隠す。
間一髪、攻撃をかわしたホワイトが目にしたのは、先ほどまで自分が立っていた地面にある地割れと見間違えるほどの巨大な亀裂であった。
「......はは、当たったらミンチだな」
なおもガウェインはホワイトへと愚直に突進する。
「...........」
ホワイトもガウェインの足元を凍結させて動きを封じる。
「大気、凍てつけ」
しかし、ガウェインは足元の凍結させられてもなお、止まらない。氷はなすすべなく砕け散る。
ホワイトは間一髪、風魔術を詠唱して攻撃を避けるも、その一撃が体を掠める。
「うおっ!!痛ってえ.....」
次はホワイトから仕掛ける。
「まずは、手数で押してみるか」
「礫、穿て」
その詠唱と同時に、無数の岩の弾丸が弾幕となってガウェインを襲う。それを、弾くことに精一杯のガウェインは一時的に攻撃の手を止める。その間に、ホワイトの頭脳は高速で回転する。
「......パワーと耐久力は規格外だが、反射神経や技術は秀才の頂点レベルだな。十分脅威ではあるが、【剣豪】や猿、あっちのランスロットほどの異質さはねえ...つけ入るならばそこだ。それに、探知手段は人間そのものだ。」
そう言うと、ホワイトは詠唱を行う。
「噴煙、満ちろ」
周囲を煙幕が満たしていく、ホワイトは続けて詠唱する。
「雨雲、覆え」
雨雲が空を覆う。そうして、程なく雨が降り出す。