第十二話 会議は回るし、酒も回る
パーティーの方針会議。会議という言葉を聞くと堅苦しい空気や上司からの激詰めなどを想像するかもしれないが、ことに冒険者の会議はそうではない。大半のパーティーの会議は酒場や飯屋の一角で酒や軽食を片手に行われる。それに会話の話題の八割は雑談である。それは俺の所属する「黄金の矛」とて例外ではない。
「それでは、第47回目の方針会議を行う!!では皆っ!!かんぱーい」
「「「「かんぱーい」」」」
ゴルドの掛け声とともに会議という名の飲み会が始まる。
「では、皆酔いが回る前に今後の方針について話そうと思う。【主人公】が加入したことによって俺たちの戦略に広がりが生まれた。しかし、【主人公】は元Bランクだ、決して弱いわけではないがいきなりSランク級のクエストというのも酷なものだろう。よってまずはAランク級の『ワイバーン討伐』の依頼で様子見をしたいと思う。反対意見のある者はいるか?」
「私は問題ないわ〜」
「....異存はない」
「私も問題ありません!!」
「俺もそれで大丈夫です。ありがとうございます。」
「よし!!、じゃあ飲み会再開!!!」
とうとう飲み会と言ってしまったよこの人。まあ、飲み会とのことなので、俺も飲むことにする。....やたらアンジーが近い。ピッタリ俺の横にくっついてるし、なんなら腕を絡めてきてる。勇気を出して聞いてみる。
「アンジーさんや、ちょっと近すぎやしないかい?」
「えっへへ〜、そうですか〜?私、わかんないれ〜す。」
だめだ、完全に酔ってやがる。
「あらま〜お熱いのね、お二人とも。若いっていいわね〜」
「メルト.....お前とてまだ若い部類だろうに....」
「【主人公】君もなかなか隅におけないね。」
「ゴルドさんまで...」
そんなこんなで会議もとい飲み会は進んでゆく。.....そういえばアンジーのジョッキの中身だけ全然減っていなかったような。まあ気のせいか。
こいつら飲んでばっかだな