第百二十五話 箱庭
中層は今までのような城の内部ではなく、広大な平野と青空であった。二人の視線の先には、そんな平野に不自然な石造の塔が聳え立っている。
「........本当に、迷宮かよ..ここ」
「...............どうなっているのだ」
「岩、穿て」
ホワイトは空へ向けて手を向け、石の弾丸を射出する。数秒後、何かに激突し、弾丸が砕ける音がする。
「........迷宮の内部ではあるらしいな」
「........【剣豪】、警戒しとけよ」
「...お前に言われるまでもない」
「にしてもよお、あの塔.....いかにも調べてくれって感じだな」
「......では行くぞ.....さて、次はどのような強者が現れるか」
「はあ、お前には未知のものへの恐怖とかねえのかよ?」
「...........斬り殺してから、じっくり考えれば良いではないか?」
「この脳筋め」
その刹那、【剣豪】に向かって「何か」が飛来する。
「!!!!」
【剣豪】は間一髪それを刀で弾く。
「......用心しろよ、今何も見えなかったぜ......というかむしろ何もなかった」
「不可視の狙撃....ということか厄介だな」
「【剣豪】、どこから飛んできたかわかるか?」
「......」
【剣豪】の指した指の先には石の塔が聳えていた。まるで、彼らを見下ろすかのように。
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