表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

136/372

第百二十五話 隻腕の騎士

ホワイトと【剣豪】の前に立ちはだかるのは隻腕の騎士。それをみたホワイトは口をひらく。

「キャメロンなんて地名に、西洋風の騎士、おまけに隻腕の騎士ときたら....あれだなまるで、アーサー王伝説だな」


「なんだそれは?」


「英国......南蛮の島国の王様とその配下の騎士団の伝説だよ」


「.....その騎士団とやらは強いのか?」


「ああ!!、そりゃもう、神話的な強ささ」


「.......であれば、この騎士の相手は私一人でする......手出しは無用だ」


「はいはい」

敵の前であるというのに、軽口を叩き合う二人。しかし、隻腕の騎士もまたそんな二人を前に静止している。


「........いざ、参る」

【剣豪】が刀を構えるのを見ると、隻腕の騎士も槍を構える。

「へえ、武士道ならぬ騎士道ってか.....ケモノとは思えないな.....いや、そういった習性の類か?それとも何か魔術的な......」

ホワイトが思考の世界に没頭している間にも【剣豪】と隻腕の騎士は激しく殺し合う。あたりには、凄まじい金属音と火花が舞っている。

「.....ふむ、獣にしてはやるではないか」

【剣豪】の技術に劣勢ではあるものの抗ってみせる騎士の姿に【剣豪】は純粋な賛辞を述べる。

「......その槍捌き.......摂津の中村新兵衛を思い出す鋭さだ」

【剣豪】は、騎士の突き出す槍の軌道を読み、かわす。そのままガラ空きになった騎士の胴体を横に両断する。

「.......ただ、これで終わりだ。お前が隻腕でなかったならば、勝負はわからなかった」

騎士は電池が切れたおもちゃのようにその場へ倒れる。


「へえ、【剣豪】お前にしてはやたら褒めるじゃねえか」


「......私は常に強者への敬意を忘れない。それが、剣士の礼儀だ」


「......やっぱ、面白えやつだなお前は。見てて飽きねえよ」


「..............」


「そんで、楽しめたかい?」


「......ああ、これほどの戦士と死会えるとは.....とんだ拾いものだな」


「.....そりゃよかったよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ