表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

132/372

第百二十一話 鋼鉄

リイの体が鈍い光沢を帯びていくのがわかる。俺は、リイがここまで見せた異常な頑丈さの正体を直感した。それと同時にリイが理性を捨てつつあることを理解した。そんな俺が彼にかける言葉は一つだ。


「リイさん、もしもの時は、俺があなたを殺します」

リイはその言葉を聞き終わらないうちに武者へと殴りかかる。リイは現在、全長2mの鉄の塊だ。リイは、武術の動きではない純粋な暴力で武者を殴る。それを受けた武者の右肩が大きくひしゃげる。

「Guaaaaaaaaaaaaaa!!!!」

なおも武者はリイへと斬りかかる。ただし、その剣はリイの爪によって砕かれてしまう。

武者は最後の手段とばかりに周囲の霧を凝縮し刃を放つ。....やはり、霧を操る能力か。しかし、リイの鋼の装甲はそれを意に介さない。そうして、武者はリイに頭部を噛み砕かれ絶命した。一方的な蹂躙劇であった。

そうして、リイはこちらへと牙を向ける.....も、うずくまる。そうして、五分ほど呻いた後。徐々に体が、本来の毛色を取り戻していく。リイは獣性へと抗ったのだ。

「リイさん....」


「これが、私です。恐ろしいでしょう?」


「いえ、とても気高く見えました」


「ありがとうございます。【主人公】さん、もし私が今後、心身ともに獣に堕ちてしまったときは......」


「ええ、俺が()()()みせます」


「止める....ですか」


「ええ」

そうだ、決して、この人・の理性を殺させたりはしない。

すると、近くの草むらに隠れるように指示していたコゼットとルーナが恐る恐るといった様子で出てくる。

「【主人公】さん!リイさん!武者を倒されたのですね!!」


「さすがです!お二人とも大丈夫ですか?」


「はい」


「ええ、ご心配には及びません」


「それにしても、リイさん...とてもお強かったですわ!」


「ええ、そして、大変カッコよかったです」


「.......だってよ、リイさん」


「..........光栄です」


いつの間にか霧は晴れ、空には、黄金色の満月が昇っていた。


武者自体はそんなに強くありません。「鉄の掟」でもワンチャン勝てます。重要なのは能力を看破できるかどうかです。

今日は話の区切りの都合でこれともう一話のみの更新となります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ