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第百十三話 戦後処理

ついに医者から自由に動くことを許された俺は、今回の件の後始末をすることにする。俺たちが殺したアレンという男は名門貴族の出らしい。俺たちが彼を殺害したと周囲に知られるのは論外であるし、それにバルジャン家が関わっていることが露呈するのもまずい。

何か手を打つ必要がある。


俺は手を打つことにする。


そうして、俺たち四人は俺とアレンが戦ったあの渓谷へと向かう。まずは、そこにあるバルジャン家の馬車の処理だ。俺はあらかじめ持ってきていた油を馬車へかけると、それに火種を近づける。この時代の馬車は木製である。燃やせば灰になる。当たり前だ。そうして、馬車の処理は終わりだ。次に、リイへと頼みアレンの愛馬の死体を拾ってきてもらう。そうして、それを谷底のアレンの死体のあたりに投げ捨てた。これで、アレンは橋の老朽化に気づかず谷底へ落ちて死んだ、哀れな貴族だと思われるだろう。なぜ彼女たちを連れてきたか、それは彼女たちがついてくると言って聞かなかったからだ。最初は、そんなグロテスクで不潔なものを少女に見せるものではないと考え、俺とリイだけで済ませようと考えていたが、雇い主からの命令とまで言われてしまったら逆らうわけにもいかない。案の定、彼女たちは真っ青な顔をしながらアレンの死体を見ていた。しかし、彼女たちは俺たちが考えていたよりも強かったようだ。二人とも青い顔をしてはいたものの、泣き出したり嘔吐したりといったことはなかった。.....俺は死体の腐臭のせいで吐きそうだったが。


全ての作業が終わった後に、

「これで、私どもも共犯ですわね」

とコゼットが言ったのが印象的だった。


そうして、俺たちは再度馬車と馬を調達し、レイナンを発った。目的地までは後二日。....ちなみにサカイからパクった馬は逃げ出してた。恩知らず、と言うのはちょっと違うよな.....

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