第十話 賢者というには愚かな男
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俺はアンジーと別れて一人帰路についていた。この数日の間に色々なことが起こりすぎた。パーティーを解雇されたと思えば再就職し、かと思えば今度は童貞卒業だ。だが、アンジーのおかげなのか今はかなり冷静に物事を考えられる。思えば今に至るまでただ流れに身を任せるだけの人生だった。前の世界でだってそうだったし、こっちにきてからもそうだ。前のパーティーをクビになった原因はわからないが、こういったことの積み重ねなのかもしれない。俺を拾ってくれたゴルド達のためにも俺は変わらなければならない。おお、今の俺めっちゃしっかりしてるかも。賢者タイムというのはこうも男の頭を冴え渡らせてくれるのか。アンジー様様だね。....にしてもアンジーとの今後の接し方についても考えなければならない。アンジーはああいってくれてはいるが、ゴルドとかに報告したほうがいいのだろうか、そもそもアンジーと俺は恋人同士なのか?マジでわからん。いくら今の俺が賢者だとはいっても知らないことはどうしようもないのだ。........わからん!!!もう難しいことを考えるのは後回しだ。それにアンジーとはこれから嫌というほど顔を合わせるのだ。...別に嫌ではないけどね。その中で今後の身の振り方を見極めていけば良いのだ。とりあえず俺が今考えるべきことは冒険者としての身の振り方だ。確かにゴルド達はいいやつだが俺が変わらなければ、結局は同じ末路を辿ることになる。
「【主人公】さん、パーティーに貢献する気ありますか?もうあなたみたいな人はうちのパーティーに要りません!」
なんて言われた日にはもう一度線路に飛び込むことになるだろう。まあ、この世界に電車なんてものはないがね。
とりあえずは今日はゆっくり休んで明日のパーティーの定例会議に備えよう。
私は恋愛弱者なのでアンジーとの恋愛描写をどうすれば良いかわかりません。
今回は今後の展開への繋ぎ的な回なので短めです。