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第二層訓練3

1300pvありがとうパンチ

翌日の午後。


俺は再び訓練棟の裏手に呼び出されていた。昨日と同じ場所なのに、胸の奥の“ざわつき”は不思議と弱くなっている。


そこへ因幡教官が歩いてきた。


「来たか、赤木。体調は?」


「問題ありません」


「嘘をつくな。目が少し赤い。昨日の負荷が残っているな」


図星すぎて返せない。


教官はため息を吐いた。


「……まあいい。その程度なら踏ませる。 第二層は“開く”よりも“馴らす”方が重要だ」


そう言うと、因幡教官は地面に一本の細い線を引いた。落ち葉を払って、真っ直ぐなラインを作る。


「赤木。ここから先、今日やることを誤解するな。 第二層の“反転”はパワーではなく、精度だ」


(精度……)


教官は自分の胸を軽く叩いた。


「昨日、お前は内側から外側に押し返す力を使ったな。 だがあれは“扉を少し押しただけ”だ。今日は――“扉を押しすぎない訓練”をやる」


押しすぎない。


第2層なのに“抑える訓練”。


俺が首を傾げたのを見て、教官は淡々と続けた。


「境界というのはな……力を入れれば入れるほど“歪む”。 歪んだ境界は、お前の内と外を混ぜる。 それが一番危険だ」


一拍置いて、因幡教官は俺をじっと見た。


「赤木。第二層の目的は“押し返す力”ではない。 ――《外からの干渉を、内側で反転し減衰させる》ことだ」


(……反転させる……減衰……?)


「簡単に言うぞ。

 《外からの一を、内側で五にするのは愚か者だ》《外からの五を、内側で一にする。それが第二層だ》」


……なるほど、それなら分かる。


「つまり、反転は“増幅”じゃなくて“変換”なんですね」


教官は満足げに頷く。


「その通りだ。やっと頭が働き始めたな」


軽く言われたが、褒められた気はしない。


因幡教官は俺の胸の前の空気を撫でながら、低く指示した。


「では、始めるぞ赤木、 胸の中心……“叩かれた場所”へ意識を下ろせ」


言われた通りに集中する。


すると――


 コツ……


微かなノックの残響が、ゆっくりと浮かび上がった。


教官は指先で空気を弾くようにして言う。


「その《叩かれた痕跡》を、思い切り小さくしろ。 押し返すのではない、“内側へ静かに沈めていく”。いいな、外へ出すな」


(沈める……沈める……)


呼吸と一緒に、胸のざわめきを小さくしていくイメージを重ねる。


最初はうまくいかず、逆にノイズが増えた。


影が揺れ、草木の擦れる音が妙に響く。


「赤木、力むな。お前は“押し返す癖”が強い。それでは第二層は暴走する」


因幡教官は俺の背に手を添え、わずかに支えながら静かに息を吸わせた。


「腕の力を抜け。背中も。境界は身体の力と関係ない。内側の一点を――細く、長く、“静かに締める”」


その言い方が妙にリアルで、俺はもう一度意識を集中させる。


(……細く、長く……締める……)


すると、


 す………


胸の奥のざわつきが、糸みたいに細くなっていく。


「――そうだ。それが“反転減衰”。外の力をそのまま受けず、内側で変換する。それができれば、お前はもう“叩かれても揺れない”」


俺は息を吸い、小さく吐いた。


ノイズが……消えていく。


風の音が普通に戻る。


胸の疼きもほとんどない。


「……教官……これ……」


「成功だ、赤木」


因幡教官は珍しくはっきりとした肯定を口にした。


「第一層の展開速度が異常に速いのは知っていたが……第二層の適応もここまで早いとは思わなかった」


そう言ったあと、教官は少しだけ表情を引き締めた。


「だが勘違いするな。今は“減衰の入口”に立っただけだ。次は――」


風が強く吹いた瞬間、因幡教官の目が鋭く光った。


「実際に“外から叩く”。第二層が本当に機能するか、身体で覚えろ」


(外から……叩く……)


緊張で喉が鳴りそうになる。


因幡教官は腕を組み、短く告げた。


「赤木、構えろ。これからお前に向けて、第一層を叩いた時よりも“強い衝撃”を送る」


ゴクリと喉が鳴る。


教官は続けた。


「第二層で“減衰”できなければ――今日ここで立っていられなくなるぞ」


俺は大きく息を吸い、胸の中心に意識を落とし続けた。


「……やります」


因幡教官はわずかに頷いた。


「よし。赤木、第二層基礎訓練――本番だ」


そして――因幡教官が手をかざした瞬間、

空気が、震えた。

《外からの一を、内側で五にするのは愚か者だ》《外からの五を、内側で一にする。それが第二層だ》」

ここのくだりはなんかの漫画のパクリです。名前忘れた。


ブクマ、星。まじでよろしくお願いします



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