5/4(日曜) 『マニュアルこな落とし』♯2
準備完了、配信開始。
数字を確認する。現在、同接三人。
「はい、どーも号六ななでーす。今回は和風ファンタジー『マニュアルこな落とし』というRPGをやっていきまーす」
最初のアンカーでゲットしたジョブが『黒魔術師、白魔術師、侍、格闘家』の四種類。
まー、この辺はありがち普通ジョブなので説明はいらんでしょ。ジョブレベルを上げると別のジョブへ変更しても能力が引き続き使えるってシステム。だから攻撃魔術を使える白魔術師とか、回復が使える戦士系とか。
「レベル上げたし、ストーリー進めるかー。そういえばオープニングであのブラックホールに山が飲まれたよね。ちょっとそっち覗いてみっか」
最初の村のすぐ上にスタート地点の山がある。ドット絵RPGは全体的にマップが狭いので迷子になりにくい。
「マップ小さいと分かりやすいから助かるよねー。最近のオープンワールド系のゲームって最初からどこでも行けるから、絶対迷子になるんよ」
米粒タケル :自由度、高すぎるヤツね
爆裂思春期 :背景が似てると方角を見失う
「そうそう、まさにそれ……あ、神社ちゃんと残ってるわ。ブラックホールに吸われたかと思った」
初期イベントで山が少し削られグラフィックが変わっているが、ちゃんと神社とアンカーはそのまま残っていた。
小さいマップをウロウロしていると神社のそばに宝箱が転がっていた。なぜかあっちこっちに存在するRPGあるある。
「ああ、宝ばきあったわ」
爆裂思春期 :宝ばき
米粒タケル :噛んだ
「やかましい」
このゲームは普通に武器、防具の装備と、アクセサリーとして装飾品がひとつだけ装備できる。
宝箱『月型の根付』を手に入れた。
「効果は毒、マヒ無効。序盤から優秀なアイテムくれるな」
最初の村で武器と防具を整え準備完了。ついでに豚骨ジイさんの話を聞いていく。
豚骨【古い文献を調べなおしてみたんじゃが、空に浮かぶあれはワリシタというらしい】
「ラーメンのワリシタってなんだっけ」
米粒タケル :ラーメンのタレ
爆裂思春期 :味付けだし汁
「ここのスタッフ、メッチャラーメン好きなんだな……ラスボスなんだろう。魚介あっさり系か?」
米粒タケル :こってり系か
爆裂思春期 :ピッタリ系か
「急に密着してくんな」
米粒タケル :もちもち系か
爆裂思春期 :どっさり系か
「モチモチ大盛り……胃もたれしそうなラスボスやな」
とりあえずジジイの話を聞く。
豚骨【あのワリシタに意思はなく、ただの現象にすぎん。最終的に破壊するしかない】
「あのワリシタっていうブラックホールに大地が吸われるから、魔力をもったアンカーを発動して世界を地上に固定しましょうって物語か」
だいたい話の筋は見えた。
「次のアンカー探しに行こか」
スタート地点が全体マップの北側にあって、大陸そのものが南の方向へ続いている。マップがシンプルなのでそのまま南の方角へ向かう。
普通にザコ戦を片付けつつ大陸の南側へ。
すると洞窟の入り口が見えた。
「初ダンジョン突撃ー。お邪魔しまーす」
ダンジョン内部へ画面が切り替わる。
洞窟のいたる所にやたら水溜りがあった。海沿いのダンジョンって感じだ。
「うわ、毒くらった」
ザコ戦そのものは苦戦しないけどやけに毒属性の敵が多い。
「地味にイヤな攻撃してくんな、こいつ」
毒無効のアクセサリーはひとり分しかない。
「解毒のアイテムもっと買ってこようかな」
米粒タケル :最初の村に無効アクセあるよ
「アクセ屋あったっけ? いったん戻るかー」
無理はしないタイプなのですぐスタート地点に戻る。
「えーっと、村で武器防具は揃えたけど、アクセ屋……あ、あるわ」
普通に見逃していた。村のメッチャ隅っこにポツンと小屋がある。
「毒のみ無効、マヒのみ無効、眠りのみ無効……まあ仕方ない買っていこう」
キャラクターに毒無効の装飾品を装備させてまた海ダンジョンまで進む。
最初のダンジョンなので迷子にはならなかった。複雑な迷路もなく苦戦もせずサクサク奥まで行けた。
「お、ボスキャラおるやん」
見えた。
画面の奥になんかいる。その後ろには巨大なアンカーがあった。
「レベルは大丈夫だし、いけるか」
そのままボス戦に突入。
パッと見ウナギだった。
「こいつ目が六個あるよ」
名前、ムツメウナギ。
「まんまやな」
まず様子をみて普通に攻撃。打撃も魔術も普通に効く。どうやら最初のボスだから難しいギミックもない。
「ゴリ押しで行けるかー」
そのままブッ叩いているとムツメウナギがいきなりクリティカルをかましてきた。塩キャラのHPがごっそり減る。
「いってえ、ヤバイ、死ぬ死ぬ死ぬ」
米粒タケル : ちぬちぬちぬ
爆裂思春期 : 犬犬犬
「今日のワンコじゃねえんだわ」
キャラをしっかり育てていたので味噌、塩、正油みんな回復魔術を使える。
一応キャラごとにやや性能に差があって、パワーの味噌、スピードの塩、防御の正油となっている。
ここはスピードの高い塩に回復を任せて他ふたりに攻撃を任せる。
「こーゆー時バフデバフ大事って思うよねえ……でも今のジョブってバフもデバフも使えないから不便だなー」
お互いにひたすら殴り合いである。
米粒タケル :敵にデバフ入ると楽だよね
爆裂思春期 :部屋に蜂入ってきたヤバイっぴ
「頑張れっぴ」
軽く流す。
なんかリスナーさんが大変なことになっているが、私は今ボス戦なのだ。ハチとフリースタイルで戦ってくれ。
「安全に回復、攻撃と……」
数ターンかかってダメージを与えていると、画面がフラッシュしてムツメウナギが消えていった。
「勝った!」
米粒タケル :やった!
爆裂思春期 :逃げた!
「あ、ハチ逃げてった? おー良かった良かった」
リスナーさんのほうが超バトルで暴れ回っていた可能性アリである。
で、ウナギの後ろにあったアンカーを調べる。
アンカー【よくぞ封印を解いてくれました。人間たちよ、感謝します。さあ新たなチカラを受け取りなさい】
ファサード解放。新ジョブゲット。
主人公たちに新たなチカラを託して、アンカーが地面にドガーンとめり込んだ。
これを繰り返せば世界を固定できる。たぶんラスボスが空に浮かぶ『ワリシタ』っていうブラックホールなんだろう。
まずは新ジョブのチェックだ。
「新しいジョブは……符術師と忍者ね。忍者はメッチャ回避率が高くて、符術師が……お、サポート系だ。やっとバフデバフ使いが登場したわ」
回復役の塩を符術師に変更。アビリティで白魔術をセット。これでバフデバフ回復と色々できるキャラになる。
「今日はこんなトコかなー」
米粒タケル :キリのいいとこで終わるべ
爆裂思春期 :いい汗かいたべ
「また続きやるべ。RPGは土曜日曜でゆっくりやりたいので続きは来週でーす。エンディングうううー!」