プロローグ
日本
首都東京・七本木 須坂町
特定指定暴力団【神城組】
3代目組長の神城天馬の指揮の元にこの街を半グレや他所の組からの侵入を防ぎ、栄華を誇っていた。
神城組は、薬売買などの汚い経済活動はしない。昔ながらの義理と人情を貫いている。
しかし近年の暴対法… 暴力団対策法では、指定暴力団員はもとより、準構成員等指定暴力団と一定の関係にある者についても、禁じる法案がある。
うちの組も弱体化せざる追えなかった。しかし3代目が襲名以降…神城天馬の手腕により、法以前の力を取り戻していた。
俺の名前は駿河陵星28歳
極道に憧れて組に入った10年目のアラサー目前の青年だ。
小さい頃に近所に住んでいた優しいおじさんに遊んでもらったことがある。自分は極道にいたと言っていた。昔の武勇伝を話して聞いているうちに憧れてしまった。ある日おじさんの話を聞こうと訪れると間抜けの殻だった。大家さんに聞いたところ極道だったことがバレて出てかされていったそうだ。俺は悲しんだ。昔は極道でも今は真っ当に生きている人は敬遠されるんだと。
それから数年経ち、俺は荒れ果ててしまった。親に歯向かい家を出て行ってしまった。親の力を借りず、一人で生きていくと決めた俺は、喧嘩を売られては買い、喧嘩し続けた結果、付いたあだ名は【狂犬の駿河】と呼ばれていた。
ある日、数十人の不良に喧嘩を売られ殴り合いになった。危なげに勝利した俺に声をかけられた。
「いい腕だな?その腕を俺たちのために使わないか?」
スーツを着たガタイの良い1人の男がいた。俺は拒否した。今の俺ならこいつにも勝てると舞い上がっていた。俺は拳を男の顔面めがけて左拳を振り抜いた。たしかに当たった感触はあった。しかし男は微動にせず、俺をじっと見ていた。
「良い拳だ。だがなこんな拳程度、裏では万といる。歯を食いしばれ!」
その瞬間俺は宙を待っていた。何をされたのかも分からず、薄れいく意識を無くした。
目を覚ますと見知らぬ部屋にいた。起き上がると頬に痛みを感じ手が触れる。触れた瞬間、まだ痛みが襲ってくる。そうか俺は負けたのか。
「よぉ目が覚めたか?坊主。」
「あ、あんたは?ここはどこだ?」
「口が悪いがまぁいい。ここは神城組だ。わかるだろ?」
「ヤクザか?なぜ俺を助けた?」
「そうだ。助けたのは気まぐれだ。磨けば光ると思ったからな。さてどうする?組に入るか?出ていくか?」
「俺は負けた身だからな。あの世界には退屈してたんだ。」
「そうか…ならようこそ!変人たちが巣食う魔窟へ。」
それから俺は馬鹿だから下積みの雑用や礼儀作法に苦労した。行く宛がない以上根を上げられない。根性をみせようやく10年が経った。狂人な兄貴たちの戦闘力に追いつきたいと背中を追っている。