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2話③
僕は今、笹本 の家の前にいる
今日いつものように陽向の家に行ったら留守だった
きっとここにいるに違いない
ピンポーン
僕は玄関のチャイムを押す
笹本が出て来た
「陽向を迎えに来た」
「はっ?何言ってるの?」
「陽向は僕が連れて帰る」
「そんな権限、伊集院にはないだろ、それにお前ヒナのあとを付けて来たのか?それ、ストーカーだよ、れっきとした犯罪行為。伊集院グループの次期社長が、経営している学校の教師にストーカー行為しているなんてことが世間にばれたら不味いんじゃないの?」
「ストーカーではない」
「じゃあ、何?まあ、どうでも良いけど、ヒナは今、俺のベッドで寝てるから帰ってくれ」
陽向が笹本のベッドで寝てるだと?
「笹本、お前」
「お前のことだ、金と権力を使ってヒナと俺の身辺調査はしたんだろう。だったら、俺とヒナの関係もわかっているはずだ」