13話③
ヒナの事が心配でこっそりと付けて来た俺は、ヒナに見つからない様に隅の席に座っていた。すると、
「やはり、付けてきたんですね」
と、声がした。イケメン秘書と神宮寺が立っていた
「一度、笹本先生とは、ゆっくりとお話ししたいたと思っていたんですよ、ここ、宜しいですか?」
イケメン秘書はそう言うと、席に着いた
「意外と、図々しいんだな、俺は良いと言ってないが?」
「これは失礼致しました。でも、今、|笹本様に瑠華様と陽向様の邪魔をされると困るので」
「邪魔をするって…俺はそんなつもりはない。ただ、ヒナが心配なだけだ」
「笹本様が陽向様の事を大事に想っている事は、存じております。しかし、瑠華様も陽向様の事を大事に想っておられます」
「伊集院が、ヒナの事を大事に想っている?そんなわけあるか、アイツは、十年前、アッサリとヒナを捨てたじゃないか」
「瑠華様は陽向様を捨てたわけではございません。それについては、何やら、行き違いや誤解が生じているようなので、今日、お二人でお話し合い出来るように、お膳立てをしたのです」
「アイツは、小さい頃から、周りに全てお膳立てして貰っていきてきたからな」
神宮寺が言う
「また、アイツなんて言う。璃音、アイツなんて言うんじやないよ。瑠華様は、君の叔父なんだから」
叔父?やはり、神宮寺は伊集院と関係があったんだな
「俺は、叔父だなんて思ったことなどない。アイツは俺とオフクロの敵だ。俺とオフクロからオヤジを引き離して、一人占めしているんだからな」
「別に一人占めをしているわけではない。これには、事情がある、旦那様とのお約束だ。それについては、今度、二人きりの時に話すよ。璃音ももう、二十歳だからな、そろそろ本当の事をはなさなければならないと思っていた」
「本当の事?俺は今更話なんて聞きたくないけどな」
「お見苦しい所をお見せして申し訳ございません。璃音は私の息子なのです。事情があり、如月ではなく、神宮寺を名乗らせてますが、そして、璃音の母親は瑠華様の姉、璃華様です」
神宮寺は、この、イケメン秘書の息子?
「俺にそんな事言って良いの?もし、俺が、誰かに言ったらどうするの?例えば、マスコミとか…そしたら、大変なスキャンダルになるんじゃないの?」
俺は言う
「それは心配しておりません。笹本様はそんなお方ではないと信じております」
「あんた、俺の事、それ程知らないでしょ?」
「いいえ、良く存じております。笹本様は、陽向様の事を十年間見守ってこられたお方です。そんなお方が悪い人である筈ありません」
十年間見守り続けたか…そうだ、ヒナの側にずっといた。十年間ずっとヒナの側にいたのはこの俺なのに、俺達の関係は友達以上になることはなかった、それはきっと、ヒナの心の中に……




