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これから、彼と  作者: 栄吉
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13話②

「やはり、付けてきたんですね」


こっそりと隅の席に座っていた笹本(ささもと)先生の所まで行き、私は言う


「一度、笹本(ささもと)先生とは、ゆっくりとお話ししたいたと思っていたんですよ、ここ、宜しいですか?」


私はそう言うと、席に着いた


「意外と、図々しいんだな、俺は良いと言ってないが?」



「これは失礼致しました。でも、今、笹本(ささもと)様に瑠華(るか)様と陽向(ひなた)様の邪魔をされると困るので」




「邪魔をするって…俺はそんなつもりはない。ただ、ヒナが心配なだけだ」




笹本(ささもと)様が陽向(ひなた)様の事を大事に想っている事は、存じております。しかし、瑠華(るか)様も陽向(ひなた)様の事を大事に想っておられます」




伊集院(いじゅういん)が、ヒナの事を大事に想っている?そんなわけあるか、アイツは、十年前、アッサリとヒナを捨てたじゃないか」


天野(あまの)先生を捨てた?二人は恋人同士だったのか?


瑠華(るか)様は陽向(ひなた)様を捨てたわけではございません。それについては、何やら、行き違いや誤解が生じているようなので、今日、お二人でお話し合い出来るように、お膳立てをしたのです」


「アイツは、小さい頃から、周りに全てお膳立てして貰っていきてきたからな」




「また、アイツなんてて言う。璃音(りお)、アイツなんて言うんじやないよ。瑠華(るか)さまは、君の叔父なんだから」


「俺は、叔父だなんて思ったことなどない。アイツはお俺とオフクロの敵だ。俺とオフクロからオヤジを引き離して、一人占めしているんだからな」


「別に一人占めをしているわけではない。これには、事情がある、旦那様とのお約束だ。それについては、今度、二人きりの時に話すよ。璃音(りお)ももう、二十歳だからな、そろそろ本当の事をはなさなければならないと思っていた」


「本当の事?俺は今更話なんて聞きたくないけどな」




「お見苦しい所をお見せして申し訳ございません。璃音(りお)は私の息子なのです。事情があり、如月(きさらぎ)ではなく、神宮寺(じんぐうじ)を名乗らせてますが、そして、璃音(りお)の母親は瑠華(るか)様の姉、璃華(りか)様です」


「俺にそんな事言って良いの?もし、俺が、誰かに言ったらどうするの?例えば、マスコミとか…そしたら、大変なスキャンダルになるんじゃないの?」


笹本(ささもと)先生が言う


「それは心配しておりません。笹本(ささもと)様はそんなお方ではないと信じております」


「あんた、俺の事、それ程知らないでしょ?」


「いいえ、良く存じております。笹本(ささもと)様は、陽向(ひなた)様の事を十年間見守ってこられたお方です。そんなお方が悪い人である筈ありません」


笹本(ささもと)様は、陽向(ひなた)様の側に十年間ずっといて、見守り続けた。しかし、二人は友達以上の関係になることはなかった、それはきっと、陽向(ひなた)様の心の中に……



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