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11話①
「誕生日おめでとう」
尚が言う
今日は僕の誕生日だ。この十年は尚と二人で過ごすことが恒例になっている。毎年、尚が僕のために、ご馳走を作ってくれる
「いつもありがとう、尚」
「何だよ。急にあらたまって」
「いつも尚には助けられてばかりだから、感謝しているんだよ」
尚はいつも僕の側にいてくれる。そして、いつも優しい
不意に僕のケータイが鳴る
「もしもし?えっ?神宮寺君?」
尚が少し驚いている
「うん、分かった。今から行くよ」
そう言って、僕は電話を切った
「神宮寺がどうしたんだ?」
「何か、僕に相談したいことがあって、この近くのカフェにいるから来て欲しいって」
「それで、行くって返事したのか」
「だって、神宮寺君は転入してきたばかりなんだよ、何か悩んであるかもしれないじゃないか、僕、ちょっと行って来るよ」
「転入してきたばかりって、もう、一ヶ月以上経っているじゃないか、それに、そんな悩むような生徒には見えないがな…」
「見た目で、判断するなんて尚らしくもない。とにかく、僕、ちょっと行って来るよ」




