1話②
僕の名前は伊集院瑠華
今は、陽向の勤めている高校の理事長をしている
「陽向、お腹空いた、ご飯」
僕は少し甘えた声で言う
「今すぐ、夕飯作りますからそれ食べたら帰って下さいよ、理事長」
理事長?随分と他人行儀だ
僕は陽向と再会できたのがこんなにも嬉しいのに、陽向は僕と再会したのはそれほど嬉しくないのだろうか
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴る
「陽向、誰か来たみたいだぞ」
「理事長のお迎えが来たんでしょ」
「瑠華様をお迎えにまいりました」
「今日は来るの早かったな、玲音」
「スケジュールが、詰まってますから」
「まだ、陽向のご飯食べてない」
「理事長、お仕事が入っているなら帰ったほうが良いんじゃないですか」
「帰るよ。帰るけれど陽向のご飯食べてからだ、玲音、少し待って」
「仕方ないですね、じゃあ、私は車で待ってますから、食べたらすぐ来てくださいね」
「うん、わかった」
僕が言うと玲音は歩きだした
「理事長、良いんですか?パートナーを車で待たせるなんて」
パートナー?玲音のことか?そうだな、玲音は僕の大切なパートナーだ
仕事でもプライベートでも、玲音のサポートがなければ今の僕は存在しなかった