5話②
「天野先生、彼とはどういう関係なんですか?」
僕はなるだけ落ち着いた声で聞いた
今日は体育祭だから、学校の様子を見に来たのだが、まさかあんな場面を目撃してしまうとは……
しばらく、陽向の家に行けてなかったから、今日会えるのを楽しみにしてきたのに、理事長室で、こんな話をすることになるなんて……
「教師と生徒です。新田君は大事な生徒です」
「大事な生徒?それは彼だけが特別だと言うことですか?」
「何を言っているんですか?新田君だけが特別だと言うことはありません。僕はこの学校の教師なのだから、この学校の生徒は皆大事です」
「でも、今日の様子だと誤解されてしまいますよ」
「誤解?」
「ええ、あれだとまるで天野先生と彼は恋人のように見える」
だって、彼の抱きつきかたはまるで恋人にでも、甘えるような感じだった
陽向は気付いてないだろうが確実に彼は陽向のことが好きだ
油断していた
まさか、生徒の中にも陽向を狙っている奴がいるなんて……
「何を言っているんですか?そんな風に見える訳ないじゃないですか」
「でも、一部の生徒の間ではそんな噂もあるようですよ」
「噂?伊集院グループの次期社長と言うお立場の方がそんな噂だけで判断するんですか?」
「そう言う訳ではありませんが、教師と生徒の恋愛は教育委員会やPTAが口やかましいので、誤解を招くような行動はしないように気を付けて頂きたいと言うことです」
「誤解を招くような行動など、何一つしていないはずです。理事長、もう、宜しいですか?」
「帰っても良いですよ」
僕の代わりに玲音が言った
「では、失礼致します」




