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1話
「ニンニク博物館に行かない?」
隣の席の女の子からいきなり声をかけられ、うん と返事をしてしまった。いきなりと言っても普段から話はするほうだし、むしろ仲は良いし、気になる女の子である。そんな相手から誘われたら即答してしまうのも無理はない。
「詳しいことはあとで連絡するね」
それだけ言って彼女は教科書を詰めたカバンを持っていつも一緒に下校している友達と一緒に教室から出ていた。それを見届けると同時にスマホを出しインターネットを開いた。理由はもちろんニンニク博物館なるものを調べるためである。しかしニンニク博物館で検索エンジンには引っかからなかった。情報の真偽はともかくインターネットで調べて出てこないことなどほとんどないといってもいい。もしかしたら彼女が適当に発した言葉かもしれないと思いつつ掲示板アプリで質問だけしてスマホを置いた。