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シンデレラ  作者: カバ
5/7

シンデレラの真実

「王子って何ですか?何言ってるんですか?」

「レラはあなたに言ってなかったのね。」

リナさんが溜息をつきながら言った。

「言ってなかったってどういうことなんですか?何がレラの身に起こってるんですか?」

病気で余命がもうあまりないとか、ストーカーがいるとかそういう類のものなのかな。

「あなたは、シンデレラを知っているかしら?」

シアさんが私に、国民全員が知っているであろう有名な童話の題名について聞いてきた。

「もちろんです。でもなんでそんなことを今?」

「信じないとは思うんだけどね、レラも私もシアもあの童話から来たのよ。」

「へ?」

「まあね、普通そういう反応よね。だから説明しておくようにレラには言ってあったのに。」

童話から来たって意味が分からない。童話ってあくまでもフィクションでしょう。何を言ってるんだろう。

「麻衣ちゃんが知っているシンデレラのお話ってどういう感じかな??」

「えっと、心優しく美しいシンデレラのお母さんが病気で死んじゃったせいでお父さんが意地悪な継母と再婚したことで意地悪な姉も付いてきて、その三人が美しいシンデレラに嫉妬していじめたんですよね。そんな時にお城で王子様が婚約者を見つけるために舞踏会を開いて、シンデレラも招待されたけど継母たちのせいで行けなくて、そこに魔法使いが着てシンデレラを綺麗にしてくれるんですよね。それで綺麗になったシンデレラを王子様が一目ぼれして、12時に帰ってしまったシンデレラが残していったガラスの靴を手掛かりにいじめられていたシンデレラを見つけて結婚して幸せになってみたいな感じですかね。」

「まあそうよね。継母とその姉たちは悪役よね。」

「え?」

「その物語は嘘なのよ。」

「嘘?」

「そう。ここからはあなたが信じるか信じないかだけれど聞いてくれる??」

そこからシアさんとリナさんが語った内容はあまりにも衝撃だった。

私が知っているシンデレラは魔法使いによって改ざんされたもので、実は継母と姉たちはシンデレラとはとても仲が良くこのままずっと一緒に暮らしていきたいと考えていたのに、そこに王子がシンデレラに一目ぼれして結婚を申し込んだ。王子はあまりというか全然カッコよくないし、そもそも粘着質で陰湿な性格の悪い王子だったのだという。けれど王家からの申し込みということで断れず、王子妃の教育を受けることになったのはいいものの、教育は体罰を伴うもので継母たちの待つ家に戻ろうとしても、返してもらえず、シンデレラは命からがら脱走したという。それを聞いた継母たちは、急いでシンデレラを追い一緒に逃げたが、王手の追っ手につかまり継母たちは処刑され、シンデレラは王子妃になったが王子との生活が絶えらずに衰弱死したらしい。私には到底信じることのできない事実だった。それなのに私は本当に事実なのかもわからないのに妙に納得してしまった。

「んん...っ...シア姉さん?リナ姉さん?」

レラの声がした。レラの意識が戻ったのだ。

お読みいただきありがとうございました。

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