90、ブレーメンの悪魔①
つおい(╹◡╹)
「へへへ、ボロい仕事でしたね、親分!」
「あ〜そうだな、腐っても宮廷調教師と警戒してた俺がバカみてぇだ、万が一の用意も全部無駄になっちまった」
「それにしてもあの王様やる事がえげつねぇや、国外追放じゃ飽き足らず身ぐるみ掻っ払って殺すか奴隷にしてくれなんてよ、いや〜俺たち盗賊ですらドン引きしちまいました」
「ま、依頼受けてる俺たちが言えたもんじゃねぇけどな!!ガハハハ!」
「……………王様も貴方達も相当趣味悪いね……」
「いやいや、趣味が良いと……あ?」
馬に乗って仲間達と談笑しながら走っていたら、聞き覚えのない少女の声が聞こえた、その声の方へ振り返ると無感情で無機質な二対の瞳があった。
『発疹皮膚武器展開
魔硬化工程完了
砲弾装填
砲身鉄拳制裁』
相手が振り返った瞬間に相手を殴り飛ばすイヴ。
「ガハッッーー?!!」
「な、なんだテメェ!!」
『砲身鉄拳追射撃』
反撃しようとしているもう一人の方には砲弾をお見舞いし意識を奪う。
「…………あと五人か………」
鉄の悪魔は一言呟いた。
「ク、クソが!くらえ!!」
万が一の時に備えていた爆弾に手早く火をつけ、五、六個イヴに投げつける。
『詠唱省略、非致死性化、全武器早撃乱射』
投げられた瞬間にイヴは『全武器早撃乱射』を撃ち返す。
爆弾を狙うもその殆どが外れる、しかし、その弾幕はもはや面の攻撃に近い、数撃ちゃ当たるの理屈でぶっ放して、柔らかく加工した武器達で爆弾全てを押し返す。
「なっーー、バカなッーー!!?!」
流石にビリヤードの玉のように弾いた爆弾を敵にピンポイントで当たるのは不可能、だが、そこからは爆弾の利点、ある程度近くに落とせばあとは勝手に爆発してダメージを与えてくれる。
驚愕の声は爆発音にかき消された。
「…………武器は考えて使いな………だから逆に利用されるんだよ………残るは一人……」
「ヒッーー、そ、そうだ、まだ俺にはこれがある!!」
巻物を開くと魔法陣が書いてあり、光り輝いたと思ったらそこにはワイバーンが出てきた、どうやら召喚系のアイテムだったらしい。
「どうだ!!ドラゴンよりは低位だがそれでも人の手に余る魔物だ!!お前如きでは倒すのは無理だろう!!」
「………へぇ………ワイバーン……ね」
「キシャァァァーーー」
『発疹皮膚武器展開、魔硬化工程完了、砲弾装填、砲身鉄拳制裁』
『砲身鉄拳制裁』で攻撃するもワイバーンは腕でガードする。
『砲身鉄拳追射撃』
「ッッーー、グルルルル」
そのままいつも通り追撃するも、腕には大してダメージが見られない、砲撃の反動で後退、ワイバーンの反撃を回避する。
「………結構硬いね………でも……『詠唱省略、全武器早撃乱射』」
全武器早撃乱射を撃つ、しかし砲身鉄拳制裁が効かなかった相手に効くわけがない、相手はさっきと同じように腕で顔を守る………しかしそれこそが彼女の狙いだった。
「………これも防げるかな?……『回転式杭打ち砲身
徹杭弾倉十本装填
十連徹杭弾接射』
「ッッーーグガッーー」
守りの腕に杭を接射するイヴ、それは頭ごと貫通した。
「………なんだ………思ったより柔らかいし………うちの蜥蜴より隙だらけだね………」
「な、ば、ば、バカな、なんなのだお前は!!」
「…………ブレーメンズ所属、イヴ・エクス・マキナ……………」
「ぶ、ブレーメンズ?!!、なんだそれは聞いた事な……いや、最近勇者を倒した鉄の悪魔がいると噂を聞いた………ブレーメンの悪魔とはお前のことか!!?」
「………悪魔?………人の荷物も命も盗む貴方達の方が私なんかよりずっと悪魔的だよ………」
そのままイヴは相手を殴り飛ばして気絶させる。
つおい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾




