89、宮廷調教師とドラゴンテイマー②
つおい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾
「ありがとうさぎ!!、いや〜腹減って死ぬ所でしたよ〜」
「………どういたしまし手乗りタイガー……」
「お粗末さマウス」
「エート、エート、キ、キニシナイデクダサイタチ!!」
「困った時はお互い様ですヨルムンガンド」
俺達は相手の特徴的な挨拶に合わせて返答する。
「で、あんたはこんな所で何してたんだ?」
「………僕の名前はウィル、実はかくかくしかじかで……」
「………なるほど、宮廷調教師をクビになったんだ………」
「え?!!、あ、あんた宮廷お抱えの調教師だったのか?!」
「これは驚きですね〜」
「テイマーとしては調教師と会うのは珍しいぜ」
「ウン?チョウキョウシッテヨウスルニテイマーッテコトジャナインデスカ?」
「あーー、素人は勘違いしやすいんだが、テイマーと調教師は全然違う、テイマーはいろんな動物に自分を信用させて契約して力を借りるんだが、調教師は自分を信用させた後、他の人間も信用させることができる、ただその代わりに動物と契約とかはできない………だったよな?」
「へぇ〜すごいでスカンク、調教師なんて地味な職業をそこまで知ってるのはあなたが初めてですよ!」
「………まぁ、違うと言っても似たような職業だからな、ついでに調べたんだよ」
「……話が脱線したけど………あなたはリストラされて国から追い出されて…………盗賊に荷物全部取られて………なんとかその場から逃げ出して此処まできたってこと………?」
「………はい、情けなイカ」
「うーん、不運でしたね〜、まぁ、とりあえずそういう日は早く寝てしまいましょう、寝床用意しときますね」
「えぇ〜そんな簡単に信用しちゃうの〜?、お人好しだな〜クリスは〜」
「なんですか?、文句あるんですか?」
優しく慰めるクリスを軽く茶化すと、絶対零度の囁きをしてきたので即降伏する俺。
「いえ、慈悲深い聖女様に感服しました」
「………ねぇ……荷物取り返したい……?」
イヴはウィルに問いかける。
「え?、そりゃまぁ」
「………ならさ……私達『ブレーメンズ』が取り返してあげようか……………」
「こういう時にパーティー名を名乗れるの良いな」
「短くて名乗り易いのもポイント高いですよね〜」
「え?、で、でも俺そんなお金持ってないですヨークシャーテリア」
「………安心して……『ブレーメンズ』記念すべき初依頼ってことで……サービスしとくよ………」
「そうそう、タカるつもりなんてこれっぽっちもないからさ」
「ハルがいうと胡散臭いですね」
「そんなことないだろ!!」
「サスガボス!!ウツワガデカイ!!」
「お?、そうだろそうだろ」
「………ま、阿呆はほっておいて追跡開始といきますか………反響定位………」
地に手をつけ呟く彼女。
「…………見つけた……すぐ取り返してきてあげる………『発疹皮膚武器展開、魔硬化工程完了、空砲装填、反動加速砲』」
「ちょ、待てイヴ一人で勝手にーー」
「行っちゃいましたね………」
爆音を轟かせすっ飛んでいくイヴ。
つおい(╹◡╹)




