85、本戦、決勝戦
勇者さんやっとかけました〜(╹◡╹)
あの夜の後、なんやかんやあって順調に勝ち進み、遂に決勝戦、相手は勇者チームだ、まぁ予選で勝ったのでこちらの勝ち目は十分あるはずだ。
「さぁ〜因縁の対けーー」
審判の煽りもいい加減飽きてきたので左耳から右耳へのスタイルで適当に聞き流す。
「いや〜今回も主催者側が用意してくれる弁当は美味かったな〜」
「………そうだね………大きいイベント……なだけあって………いい味してたね……」
「……二人とも、あんまり気を抜かないでください、ここまで来たからには優勝を狙いましょう」
「ですわね!」
「「………はいはい、わかってる」」
俺とイヴは適当に相槌を打つ。
そんなわけで試合開始のゴングがなる。
相手は防御重視の戦いをしてきた……アーロンにそんな我慢ができるとは驚き。
………しかし何だか動きが硬すぎる、カウンターを誘った動きをしても何もしてこない……攻撃しなければ一生勝つことはできないはず、いくら防御に徹すると言ってもノーダメージでは済まない、確実に体力を削っている、別に俺たちはこのままでも良いので無理に責めずにゆっくり確実にダメージを与えていく。
………推してるのは完全に俺たちだ、なのに相手の顔には焦りが見えない、むしろ勝ちを確信しているかのような笑みを浮かべている……一体どんな勝算があるのだろうか。
「おい、いつまで逃げるつもりだ?、やる気がないなら降参してくれ」
気味が悪くなった俺は相手を挑発。
「そうだな………そろそろかな?」
「あ?、何のッーーー?!!」
俺は相手の発言の意味が分からず問いかけるも最後まで言い切ることはできなかった。
「あーー?、体がーー、うご、かねぇ?」
体が言うことを聞かずに地に伏せる、どうやらそれは俺だけじゃなくイヴ達も同じように転がっている。
(………全員同じタイミングで状態異常だと?ありえねぇ、相手は状態異常付与系のスキルなんて使ってなかったし………一体……)
「あらら?、どうしたんだ?もしかして腹でも下したか?」
「ッッーーー?!………お前ら」
アーロンの口調で何となくわかった、多分だがこいつら俺たちの飯に何か仕込みやがった、そこまでするとは思わなかった。
「楽に終わると思うなよ?、散々コケにされた分楽しませてもらった後にトドメ刺させてもらう」
「…………貴方達………それで勝って嬉しいの?」
どうやらイヴも気づいたようだ、彼女はアーロンに問いかける、無機質で感情を感じさせない瞳を向けながら。
「ああん?、なに言ってんだお前?、俺たちがなんかしたってか?証拠もないのに言いがかりつけやがって………まぁもしもの過程で不正を俺がしてるとしても……….勝てば気持ちいいに決まってるだろうが」
最初は声高らかに、最後の方は俺たちにだけ聞こえるように小声で話すアーロン。
………確かにむかつくが、命まで取られるわけじゃない、少し痛ぶられるが俺達だってやったのだ、少しぐらいは我慢すべきだろう、そう俺が諦めかけたその時、イヴが立ったのだ。
「………そう……なら……貴方達は………私が…………噛み殺して、噛み潰して、食い散らかしてやる……」
「あ?、どういうことだ?、何で立てる?」
「大丈夫よ、ただの死に損ないでしょ、とっととやっちゃおう!」
「そうだアーロン!あまりモタモタしていると薬が切れてしまう」
「それもそうだ…………そんな状態で大口叩くとどうなるか、教えてやる!!!」
「イヴ!!!」
俺は咄嗟に彼女の名を呼ぶも意味はなかった、アーロンの剣が彼女に吸い込まれるように接近していき、当たる直前ーー刀身が消える。
「あ?、な、何じゃこりゃ?」
「…………腹の足しにもならないね……」
彼女が何かをした素振りはない、なら何故………耳を澄ますと何か音が聞こえる、硬いものをより硬いもので砕くような音が聞こえる………冷静に聞き、音の発生源を突き止めた……どうやら発生源はイヴの尻尾らしい。
「ってえ?、なにあれ?」
イヴにいつの間にか生えていた狼の尻尾らしきものは先っぽが獣の口のように変化している、それがアーロンの剣を折り、噛み砕いているようだ、冷静に彼女を観察すると頭からは狼の耳らしきものが生えている、全体的に狼っぽい特徴が体に出ている。
「な、一体……」
「………人の食いもんに………混ぜ物すなよ………」
血走った目でアーロンを睨んだ、刹那ーーアーロンの首から上が消えた。
「………まっず……」
直後、剣の時と同じように、音が鳴り響く、全く同じ再現ではなく、先ほどよりも柔軟性があるものが噛み砕かれる音だ、不思議なほど寒気が走る咀嚼音。
「ひっーー、こうさー」
相手の一人が降参を言い切る前に全員の頭が消えて、闘技場の外へと吐き出される、彼らは負けたが、頭に手をやり、ある事に安堵しているように見える。
「…………逃すと思った?」
彼女は呟くと尻尾が彼らに噛みつこうと迫るが、結界に阻まれる。
「お、おい、イヴなにやろうとしてーー」
「……邪魔だな……」
俺が喋るも何かが割れるような音が鳴り響き、その音にかき消された、結界を食い破ったらしい。
そのまま味わうかのように口の中で噛み潰す尻尾。
「………あんな事して……まさか試合で負けるだけと思わないよね?」
「ひ、ゆ、ゆるして」
「………ゆるさなーー」
彼らに一歩踏み出すイヴ。
「やめろイヴ!!」
彼女のことを後ろから抱きしめる、何故か動けるようになっていた、体が変化していたので状態異常を無効化する竜人にでも進化したのだろう。
「………なんで………彼らは………ズルした上に………人様のご飯に何か仕込んだんだよ?」
「確かにあいつらはやったことは酷い、だけどこれは試合なんだ、なにがあろうと命まで奪ったらお前はただの人殺しだ」
「………わかったよ……」
つおい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾




