84、飛翔
書きました〜(╹◡╹)
「どうだ?、気持ちいいか?」
「はいーーすごく気持ちいいですーー」
俺は飛行能力が高い竜人、『飛翔竜人』に進化。
クリスを背中に乗せてそのまま上空を飛ぶ、スキルを使ってるいるわけではなくただ基礎能力で飛んでいるため別に詠唱とかは必要ない。
「もっとスピード出してくださいよー」
「了解聖女様、漏らさねぇように気をつけろよーーー!」
俺は体感、制御不能な速度の三歩手前ぐらいまで速度を上げる。
「はいよ〜シルバ〜」
「誰がシルバーだ誰が………横に飛ぶだけなのも勿体無ぇか、振り落とされないようにしっかり掴まってろよ!!」
横に飛ぶことに飽きた俺は今度は真上へと方向転換する。
そのまま雲の中に突入、視界が雲に埋め尽くされながらも突き進んでいくーーー突如淡い光が俺たちを照らす。
雲の壁の果てを突き抜けた、先にあったのは暖かく温もりがある陽光とは違う、冷たく無機質、だがそれゆえに美しい月光。
「………俺が連れて来れるのはここまでだ……悪いな」
「………言っときますけど、月まで行けってのは軽いジョークですよ、イッツ聖女ークです」
「……….聖女ークなんて初めて聞いたぞ?」
「そりゃそうですよ、私が聖女ークの開祖ですから……」
「へぇ〜じゃあ俺に聖女ークの定義をご教授願いまーー」
俺が微笑混じり冗談を言い切る前に彼女は感謝を伝えてきた。
「ーーハル、ここまで飛んできてくれてありがとうございます」
「ーーえ?、な、何だよ急に…….調子狂うな」
「……ふふふ」
俺は後ろの方をチラ見しつつ小言をこぼす、彼女は俺の背中で上品に笑う。
月光に照らされた彼女の笑顔、それは絵画として飾っておきたいくらいに芸術的な美しさ。
「ーーーッッッ」
「うん?、どうしました?」
「は、は?、べ、べべべ、別に何にもにゃいですけど?!!?」
あまりの綺麗さに俺はなぜか赤面してしまい、誤魔化すように前へと顔を向け直す。
しかしクリスに不審に思われ、疑問をかけられてしまう。
疑われないように平常心を心掛けるも無意味。
動揺を彼女に伝えるだけの結果になってしまった。
「もしかして私に惚れちゃいました〜?」
「ち、ちげぇよ!!あ、あれだよあれ!」
「あれってどれですか〜?」
「いや、その、あれだよ………鳥はさ基本体重軽くするために飛行中も脱糞するじゃん、俺もしたくなったらしなきゃいけないのかなって考えてたら恥ずかしくなったんだよ!!」
「…………真実だろうが虚言だろうが、まずその話題を女子に振っちゃダメっていう羞恥心を持った方がよろしいかと……」
背中が凍りついたと錯覚するほどの冷たさを携えた彼女の声が響いた。
つおい(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾




